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「もうダメか…」 瀕死状態で道路に横たわる子猫 先輩猫たちに見守られ元気な“おてんば姫”に

今回、ご紹介するのは、@neco_sekaiさんとその愛猫・ひめちゃん。

2022年の夏、道路の真ん中で倒れていたところを飼い主さんに保護されました。当時、まったく動かないひめちゃんを見て「もうダメか……」と最悪の結末が頭をよぎったという飼い主さん。ところが、ひめちゃんの体がまだわずかに温かいことに気づきます。

ひめちゃんの命を救いたい一心で、懸命なケアを続けた飼い主さん。それに応えるように、ひめちゃんは少しずつ回復しました。

現在、保護猫活動に携わる飼い主さんのおうちで、先輩猫たちとともに暮らしているひめちゃん。保護当時の状況から現在の様子まで、詳しいお話を伺いました。

■道路で力尽きて倒れている子猫を緊急保護

飼い主さんに保護されたひめちゃん
保護され、飼い主さんのおうちにやって来たひめちゃん
@neco_sekai
飼い主さんがXで、「ひめ」ちゃんを保護したことを報告したのは、2022年7月10日のこと。当時、ひめちゃんは、生後推定3ヶ月、体重わずか800グラム程度しかありませんでした。飼い主さんは、保護したのが七夕の日に近かったことから、“織姫”にちなんで名前を付けたそうです。

飼い主さん:
「保護してから、少しずつ体力がつくと必死になって私にしがみつくようになりました。その姿を見て『この先、元気いっぱいの“おてんば姫”になってもらいたい』との願いを込めて付けました」

ひめちゃんが保護されたのは、2022年7月10日のこと。飼い主さんは車の運転中、まだ小さな子猫だったひめちゃんが道路の真ん中で倒れている姿を目にしました。急いで、車を停めて駆けつけた飼い主さんは、まったく動かないひめちゃんを見て「もうダメか……」と思ったそう。ところが、近寄ってみると体はまだわずかに温かいことがわかりました。

飼い主さん:
「すぐにひめを抱いて車に戻り、そのまま自宅へ。そして、体を保温し、マッサージを続けました。車に轢かれたわけではなく、目と鼻が膿とかさぶたで塞がれて、極度の栄養失調と脱水症で動けなくなっていたようです」
窓辺で眠るひめちゃん
窓辺ですやすやと眠るひめちゃん
@neco_sekai
しばらくの間、ひめちゃんはあまり動く様子はなく、ぐったりとしていました。その日は、日曜日で動物病院はお休み。そこで、飼い主さんは、翌日、病院を受診するまで体温が下がらないように気をつけながら、ひめちゃんの“生きる力”を信じて撫で続けました。

飼い主さん:
「次の日、ひめを病院に連れて行くと、ノミやダニなどたくさんの虫に寄生されていることがわかりました。私は個人的に猫の保護活動をしていることもあり、家にはほかにも猫がいます。そのため、しばらくの間、通院し駆虫の処置を受け、家ではケージで隔離生活をすることに。うまく栄養が摂れていなかったことから、下痢や嘔吐、脱水症状もありました。もし、あのとき、保護できていなければ、命を落としていたかもしれません」

また、ひめちゃんの白濁した両目は、長らく放置されていた影響で、治療をしても完全に治すことは難しいこともわかりました。

飼い主さん:
「今は、片目は光を感じ、もう片方は、ほぼ見えているけれど白濁があるため横の動きはわかるものの、縦の動きは見えにくいようです。エイズと白血病は、陰性だったため安心しました」

■生後推定1歳半になったひめちゃん 先輩猫に見守られながら成長

カメラを見つめるひめちゃん
美猫に成長したひめちゃん
@neco_sekai
こうして、一命を取り留めたひめちゃん。目が見えにくいという後遺症は残ったものの、今では見違えるほど元気いっぱいに成長しました。ここに至るまで、先輩猫たちもまたひめちゃんに寄り添い、導いてくれたそうです。

飼い主さん:
「やんちゃな子猫時代は、激しく“甘噛み”をするクセがあったため、先輩猫から強めにたしなめられるなどの指導を受けることも。それも、1歳を過ぎる頃には、だんだんと落ち着いて噛むことはなくなりました。同居中の猫ともよく遊びます。少し前まで、ひめと同じ年齢で里親募集中の猫たちがいたときは、おもちゃを奪って勝ち誇ったような顔になったり、ほかの猫におもちゃを奪われたときは、短い“かぎしっぽ”をブンブン振りながら『次は、獲る!』と意気込んだりしていて、とてもかわいらしかったです」
“きょうだい”に囲まれて過ごすひめちゃん
“きょうだい”と一緒にカメラを見つめる(右から2番目)ひめちゃん
@neco_sekai
その後、里親募集の猫たちは、次々と里親さんのもとへ。一番仲が良かった子がいなくなってからは、よほどさみしかったのか、ひめちゃんはパタリと遊ばなくなってしまいました。ところが、しばらくして里親さんのおうちでトライアル期間を過ごしていた1匹の猫ちゃんが、そのおうちとはご縁がなく飼い主さんの元へ帰って来ることに。すると、ひめちゃんは、元気を取り戻して、また楽しそうに遊び始めたそうですよ。

飼い主さん:
“ひめ”という名前の通り、活発にも甘えん坊にも、時折、わがままにもなったりします。自ら、『おしり撫でていいよ』とアピールして、ひと通り撫で終わると、次は『抱っこして』とせがんで“肩乗り姫”に。私がトイレに入ると、ほかの猫をかき分けるようにやって来て、膝の上に乗り“ドヤ顔”をすることもあります。先輩にゃんこが遊んでくれないときは、私のところにおもちゃを運んで来て『遊んで』と甘えてくることも。今は、のんびりとごろ寝したり、今年おうちにやって来た子猫と遊んだりしながら、とても穏やかに過ごしています」

飼い主さんは、複数の猫たちと暮らすにあたって、「その子の個性や生きてきた環境に合わせ、時間やタイミングを見計らって歩み寄ること」を大切にしているといいます。

飼い主さん:
「病を抱えている子、治療中の子は別室で過ごしてもらっています。また、保護直後は、しばらくの間、別室で隔離。警戒心が強い子は数ヶ月ほど別室かケージで過ごしてもらうこともあります。不安からごはんを何日も食べない子もいるので、『今、歩み寄っても大丈夫か』『もう少しそっとしておくか』を見極めたり、人に慣れる気配がなければ先輩にゃんこに任せてみたりする場合も。その子の様子をうかがいながら、焦らず、時間をかけて見守っています。『人間は苦手だけれど、猫は大丈夫』という子も多く、他の猫を見ながら「人間は怖くないんだな」とわかってくれる子も少なくありません」

■猫も里親さんも幸せに 双方のサポートを続ける飼い主さん

みんなで一緒に窓の外を眺める猫ちゃんたち
みんなで一緒に“ニャルソック”する猫ちゃんたち
@neco_sekai
最後に、飼い主さんに「猫と暮らす魅力」について伺いました。

飼い主さん:
どんなに辛いときも、『笑顔があふれる生活を送りたい』と踏ん張ることができるのは、猫のおかげです。お互いに支え合い、甘えられたり甘えさせてもらったりしながら一緒に生きていく。猫を里親さんのもとへ送り出すときも、少しでも猫との暮らしをスムーズに始められるようよくお話を聞き、アドバイスをするように心がけています。残りの人生もできる範囲で、保護猫活動を続けたいです。猫が与えてくれる癒やしは、“世界一の万能薬”ですね」

ひめちゃんはもちろんと仲良し“きょうだい”がのびのびと暮らす様子は、Xのほかにも、インスタグラムでたくさん見ることができます。強い絆で結ばれた猫ちゃんたちと飼い主さん。これからさらに、幸せな時間を過ごしていくことでしょう。


写真提供・取材協力/@neco_sekaiさん
取材・文/佐東みかん
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