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【専門家が解説】猫の多頭飼いで知りたい!注意が必要な「組み合わせ」はあるの?
そのなかでもとくに気になってしまうのが、先住猫との相性。そもそも、絶対に相性の悪い猫の組み合わせってあるのでしょうか!?
そんな疑問に迫るべく、今回ねこのきもち獣医師相談室の先生にくわしく話を聞いてみることに。
猫の多頭飼いを考えている・いま多頭飼いをしている人が知りたい内容がたくさんです!
相性が悪い猫の組み合わせはあるの!?
「相性は個々の性格によるところが大きく、『明らかに悪い』と断言できる組み合わせはないと考えます。
しかし、『成猫のオス同士』と『高齢猫と子猫』は、注意したほうがいい組み合わせとして知られています」
「成猫のオス同士は縄張り意識が強く、喧嘩やスプレーなどの問題行動が起きやすいことが心配されます」
「高齢猫と子猫の組み合わせは、元気に走り回り遊びたい盛りの子猫の動きが、ゆっくり過ごしたい高齢猫のストレスになることがあり、ときには強いストレスが病気の引き金になることもあります。
そのため、高齢猫に対して充分な配慮が必要になりますね」
猫同士の相性が悪い場合、慣れれば改善されるもの?
「猫同士の関係性(仲が良い、悪い)は、相性だけで決まるものではありません。猫の性格や顔合わせのタイミングとその方法、その後の生活環境などによって変わります。
初めは相性が悪いように見えても、時間をかけて無理のない顔合わせをさせ、徐々に慣れさせるようにしたり、それぞれの猫に合わせて環境を整え、安心した生活ができるようにしてあげれば、お互いの存在を認められるようになってくることがあります。
仲良しとまではいかなくてもケンカをしなくなったり、いつの間にか寄り添って寝るようになっていることもありますね」
猫が増えることによるストレス→問題行動や健康上の影響も!
「多頭飼いは楽しいことや嬉しいことばかりではなく、猫にとっても飼い主さんにとってもいろいろな問題が生じてくる場合があることを知っておくべきでしょう。
基本的に単独行動を好み、環境の変化をあまり好まない猫にとって、新しい猫が増えることは大なり小なりのストレスになると考えられます。
たとえば、先住猫は大好きな飼い主さんとの時間が減る、安心して食事ができない、お気に入りの場所でゆっくり休めない……などが続くと、不安になったり落ち着かなくなくなります。
また、問題行動が現れたり、健康に影響をおよぼす状態になることがあるのです」
「スプレー行動やトイレ以外での排尿、好ましくない場所での爪とぎ、食欲の低下、下痢、膀胱炎などです。
このように先住猫に強いストレスが見られたら、問題を減らす工夫をして健康管理をしながら、新しい環境を受け入れるまで時間をかけて見守ってあげることが大切です」
保護した成猫を迎えるときの注意点
「新しく迎える猫が子猫の場合は、新しい環境に慣れやすく、先住猫に対しても警戒心を持つことは少ないでしょう。
しかし、保護された成猫や長い間ノラ生活をしていた猫の場合は、新しい環境に慣れるまで時間がかかることがあります。
成猫は出会う前の時間が長い分、慣れるのにも時間がかかることも考えられます。猫のペースに合わせて警戒心が解けるまで隔離などして、待ってあげる覚悟が必要かもしれません」
「猫を別々の部屋で過ごさせたり、ケージに隔離したりという選択をしなくてはならないこともあると考えておきましょう」
猫の多頭飼いを決断する前に、飼い主さんが理解しておきたいこと
「多頭飼いのストレスによるスプレーや爪とぎなどの問題行動は、やめさせることが難しいケースも多く、飼い主さんの生活にも影響が出てくることがあります。
猫の数が増えれば、トイレや食事などの管理が難しくなることも考えられます。また、病気やケガの発見が遅れたり、1匹だけに対する特別な世話が難しくなることもあります。
多頭飼いを始めるときは、さまざまな問題を受け入れ、それぞれの猫の一生にわたって健康と安全を守るための時間と環境が用意できるかどうかを考えてみることが大切でしょう」
もし迎え入れることになったら、先住猫も新入り猫たちも幸せに暮らせるように、環境面などの配慮もしてあげましょう!
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と使用している写真に関連性はありません。
取材・文/Honoka
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