白くてキレイなモフモフの毛に、まんまるお目目のニャンコ・シラスちゃん。
同居犬のポテチちゃんといつも一緒にいて、とっても幸せそうです。でも、シラスちゃんがいまこんなに元気でいられるのは、奇跡なのかもしれません。
「2016年7月20日のことでした。カラスに襲われている死にそうな猫を見つけ、放っておくことができずレスキューしました」
そう話すのは、シラスちゃんの飼い主さん。このときのシラスちゃんの姿は、とても痛々しいものでした。
瀕死の状態だったシラスちゃんの体はとても汚く、顔中にダニやノミが這っていたのだそう。あまりのひどさに、飼い主さんは「もう死んでしまっているのではないか……」と思ったほどだといいます。
つらそうなシラスちゃんをすぐさま動物病院に連れていき、そのまま2週間の入院になったそう。
無事に退院したあとも、まだ皮膚の状態はよくなっていませんでした。そのため、飼い主さんは毎日のように自宅でシャンプーをしてあげる日々。
ほかにも、飲み薬を与えて、目薬をさして、耳の薬を塗って……仕事をしていた飼い主さんにとっては、シラスちゃんの看病との両立はとても大変だったと振り返ります。
大変な大変な毎日。でも、日に日に元気に、キレイになっていくシラスちゃんを見て、飼い主さんは癒されていくのでした。
「シラスはもともと左半身が不自由な猫でした。とくに前足が上手く動かないようで、とっても変な歩き方です。日常生活にはさほど支障がないのですが、椅子から落ちたりジャンプが届かなかったり! でも、それがなおさら愛おしく思え、シラスの個性でかわいいです」
少しの障害があっても、それは個性。たとえハンディがあったとしても、そこは飼い主さんが支えていく。
そうやってシラスちゃんは、飼い主さんからたくさんの愛情を受けて育ってきたのです。
優しいポテチちゃんとも、とっても仲良しのシラスちゃん。
「私が帰ると、ふたりで競って玄関までお出迎えしてくれます。かわいくてかわいくて仕方ありません」と、すっかり家族の癒しコンビとなっているみたい。
あの日、シラスちゃんを保護して、家族になって、いま飼い主さんがあらためてシラスちゃんに伝えたいこと。
それは、「うちのコになってくれて感謝してるよ」ということだそうです。
そして、これから保護猫を家族に迎えようと考えている人に、経験者だからこそ伝えたいこと。それはーー
「保護猫を家族に迎えるときは、家族全員の協力と理解が大切だと思います。そして、そのコをいっぱいかわいがってあげることですね」
保護猫には、過去に人間から虐待をされトラウマを抱えているコもいます。大好きだった飼い主さんに、捨てられてしまったというコも……。
過去に苦しむコが安心して暮らせるようにするには、どうしたらよいのか。
保護猫を家族に迎える際には、そうしたことを考えてあげて、寄り添うことが必要になります。
保護猫を飼うということは苦労もあるけれど、それ以上に喜びがあるということが、飼い主さんのお話から伝わってきました。
シラスちゃんのように、優しい飼い主さんのもとで幸せに暮らせるネコちゃんが増えてほしいですね。
参照/Instagram(
@norin922)
取材・文/凜香