猫が好き
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猫の「舐める」「嗅ぐ」に隠された本当のキモチ…知ってる?
こうした日頃の猫のしぐさを見て、「どんな気持ちでこの行動をするの?」と気になることはありませんか!?
この記事では、猫の「舐める」「嗅ぐ」のしぐさに焦点を当てて、飼い主さんが日頃疑問に思いがちなことを取り上げていきます!
猫の「舐める」の基礎知識
なかでも長時間を費やしているのが、自分のことを舐める「毛づくろい」です。じつに、起きている時間の30~50%を占めるとも!
野生時代、自分の居場所を敵に知られないように、毛づくろいによって体のニオイを徹底的に消す必要があった名残だといえるでしょう。
①私の手や顔を舐めるのは、味が好みだから?
猫が人を舐めるのは、親愛の気持ちから。舐めることでその気持ちを表現しているといえます。
また、「もっとなでて!」「早く起きて!」など、なんらかのおねだりを要求していたり、自分のニオイを飼い主さんに付けて「自分のものだ!」と安心しようとしている場合もあります。
②せっかくなでてあげたところをペロペロ。嫌がっている?
なでているときに猫が気持ちよさそうにしていたなら、そのあとの毛の乱れが気になっていたのでしょう。
キレイ好きな猫は、人の目ではわからない毛の乱れでも違和感を覚えることがあるよう。舌をブラシ代わりにして整えているのです。
③ほかの猫を舐めるのは、愛情表現?
ほかの猫を舐めるのは、人を舐めるのと同様で親愛の気持ちから。自分のニオイを相手に付けたり、ニオイを交換して信頼関係を築いています。
そのため、母猫・子猫やきょうだい猫、仲のよい猫同士にしか見られません。母猫や成猫が子猫を舐める場合は、お世話の意味もあります。
ちなみに、猫は気持ちの切り替えが早い動物なので、同じ動作を続けるうちにイライラする習性が!
嫌いになるというよりは、八つ当たりしてケンカになることがあります。
猫の「嗅ぐ」の基礎知識
飼い猫になった今でも、その行動は習性として残っています。あらゆるもののニオイを嗅ぐことで、情報を得ようとするのです。
①フードを食べる前に嗅ぐのは、食いしん坊だから?
たいていの猫は、フードを出されると舌先を触れる前にニオイを嗅ぐもの。それは、味覚よりも嗅覚のほうが格段に発達しているからです。
口に入れる前に腐敗していないかなど、安全確認しているのです。そのため、慎重な性格の猫ほどよく嗅ぐ傾向にあります。
②猫同士でニオイを嗅ぎ合うのは、クサいから?
猫はほかの猫とニオイを嗅ぎ合うことで情報交換します。まずは鼻、穏やかに進めば肛門の左右にある肛門腺から分泌されるニオイを嗅ぎ合います。
とくに肛門には情報が盛りだくさんで、性別や血縁関係、発情しているかどうかまで知ることが可能なのだとか!
ちなみに、猫は本能的なニオイ「フェロモン」を感じると、前歯の裏にある穴「鋤鼻器」でニオイを調べようとして、口が半開きになります。
この反応を、「ブレーメン反応」といいます。
③新しい猫ベッドを嗅いだあとに、スリスリするのは気に入ってくれたから?
新しいものは、猫にとって「見知らぬ侵入者」と同じ。初めてのニオイを嗅いで調べたあと、安心する自分のニオイを付けているのでしょう。
顔周りでスリスリしているなら、「フェイシャルフェロモン」という猫が精神的に落ち着けるニオイを付けています。
(監修: 哺乳動物学者、「ねこの博物館」館長 今泉忠明先生)
文/sorami
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