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“チョロ見え”がかわいい猫の舌、その知られざる秘密は?

手の代わり? 筋肉が発達した「猫の舌」

猫のかわいい口から、チョロリと見えるピンク色の舌。ごはんを食べたり、水を飲んだり、毛づくろいをしたりしてあげたりと、猫の舌は生きていくうえで欠かせない器官です。
食べたり飲んだりする時、猫の舌は人の手の代わりをはたします。フードをすくって食べたり、水柱をつくって飲んだり。人に比べて、舌の裏側のオトガイ舌筋(下あごと舌をつなぐ筋肉)が発達しているため、舌先を大きく反らすことができ、水をすくい飲みこめるのです。

実は3つの味しかわからない「猫の味覚」

肉食動物である猫は、雑食の人間に比べ感じる味覚が少なく、主に苦み、酸味、塩味の3つだけです。苦みは毒かどうか、酸味は肉が腐敗しているかどうかがわかることから、生きるために発達したのでしょう。

逆に、甘みはほとんど感じないといわれています。飼い主さんがおいしいケーキを食べていても、クンクンとニオイをかいで興味を示しても、「ちょうだい、ちょうだい」とねだらないのはそのためです。

「きれい好きで甘えん坊」猫のかわいさは舌があってこそ?

食べる、飲む以外に、猫の舌は「毛づくろいをして身だしなみをととのえる」「相手に気持ちを伝える」ことに役立ちます。

猫の舌には「糸状乳頭」という突起が一面にあり、これがブラシ代わりとなって、被毛についた汚れや抜け毛をなめて取り除くのです。これは、自分自身の体臭を消すことにもつながり、野性時代は、敵から身を隠すのに役立ちました。

また、唾液には殺菌効果があり、常に自分自身できれいな体をキープできる利点もあります。

もう一つ、飼い主さんや子猫、同居猫をなめることで相手に気持ちを伝えることもします。なめて“ニオイ交換”し、「大好き」アピールをしています。また、甘えている時に出すのどのゴロゴロ音も舌を使って出しているので、気持ちを伝えるうえで、猫にとって舌は欠かせないものですね。
参考/「ねこのきもち」2018年7月号『今すぐ猫舌チェックしてみよう』(監修/藤田桂一(獣医学博士。フジタ動物病院院長、日本小動物歯科研究会会長)、今泉忠明(哺乳類学者。「ねこの博物館」館長、日本動物科学研究所所長))
撮影/石原さくら、栗林 愛、福田豊文
資料提供/フジタ動物病院
イラスト/Pata
文/ヤマモト トモミ
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