灰白ハチワレの抹茶(まっちゃん)、キジシロの甜茶(てんちゃん)、茶白の麦茶(むぎちゃん)は、みんな元保護猫。「お茶」にまつわる名前がかわいい3兄弟です。
3兄弟の飼い主さんであるmariさんは、もともと犬派。猫を飼うことになるとは思ってもいなかったようですが、猫好きな娘さんがきっかけで考えが変わったのだそうです。
犬派だった飼い主さんが保護猫を家族に迎えた理由
もともと猫好きな娘さんは、日本における動物の殺処分の多さや虐待の現状について考えていたといいます。一軒家に引っ越したら、「猫を引き取り助けたい!」と思っていたのだとか。
そのような現状をくわしく知らなかったmariさんですが、娘さんの話を聞いているうちに保護猫を引き取ることを決めるのです。
抹茶ちゃんとの出会い
まずおうちにやってきたのは、野良猫だった7カ月のまっちゃん。
過酷な生活を強いられていたことや、その後保護されたおうちの大勢の猫の中になじめなかったことも重なり、迎えた当初は警戒心が強く、デリケートなコだったようです。
初めておうちにやって来たときは警戒してぴくりとも動かず、ケージに移そうとするとパニックで逃げ出してベッドの下に2週間も潜んでいたそう。
その間のご飯とトイレは、娘さんが夜寝た後に済ませていたというほど警戒していたまっちゃんですが、時間とともに家族とも少しずつ打ち解けていくのでした。
新しい猫を迎えることに、最初は不安も
まっちゃんがようやく慣れてきたころ、次男のてんちゃんがやってきました。
生後2カ月のてんちゃんは公園にひとりぼっちでいたところを発見され、保護猫サロンに引き取られます。
mariさんは天使のようなかわいさのてんちゃんを一目見て気に入り、里親になりたいと申し出たそうです。
ほかの猫が来ることでストレスになってしまうのではとサロンに伝えると、「トライアルから始めて先住猫を一番に考えてあげてください」と言ってもらい、安心して預かることができたのだとか。
しかし、てんちゃんを迎え入れた途端、まっちゃんは激変! 最初こそびくびくしていたものの、1週間も経つと毛づくろいをしてあげるまでに。
やんちゃなてんちゃんですが、まっちゃんは何をされても怒らないのです。寝てばかりだったまっちゃんは、てんちゃんと一緒になって走り回るように!
初めて2匹が猫団子で寝る姿を見たときは、嬉しくて涙が出たのだそう。
その後、近所で保護猫活動をしている人から2カ月のむぎちゃんを譲り受け、3兄弟がそろうこととなりました!
イタズラも許せちゃう! 愛くるしい3兄弟
飼いはじめて一番変わったのは、やはりまっちゃん。今では人の言葉が一番わかる甘えん坊で、mariさんにくっついて寝るまでになりました。
てんちゃんは娘さんのことが大好きで、ゴロゴロと喉を鳴らしておしゃべりもよくするそう。
末っ子のむぎちゃんは人見知りをせず、お客さんに抱っこして遊んでもらうこともよくあるのだとか。
そんな個性豊かな3兄弟のために、mariさんはリビングにキャットウォークを作ってあげたそうです。
「猫たちからたくさんの幸せをもらっているので、我が家に来れてよかったにゃー幸せだにゃーと思ってもらえれば」とmariさん。
最初こそ猫との生活には反対でしたが、イタズラでさえも愛おしくなってしまうほど、3兄弟との生活に幸せを感じているようです。
そして今、こんな気持を伝えたいと話してくれました。
「我が家に来てくれてありがとう。これからも3匹で仲良く元気で長生きしてね」
保護猫3兄弟を通して伝えたいこと
3兄弟をきっかけに保護猫たちの現状を知ったmariさんですが、募金活動など小さなことからでも保護猫が幸せになる手助けができると知ったそうです。
「Instagramで猫の魅力を伝えたり、保護猫のことを知ってもらって、保護猫が1匹でも多く幸せになってくれればと願っています」
知らないことでも、まず現状を知るというのはとても大切なこと。
知ることをきっかけにした出会いは人生をガラッと変えることもあるんだと、mariさんと保護猫3兄弟の暮らしに触れて、改めて感じました。
参照/Instagram(
@matsutenmugi)
取材・文/Ayano Yamabuki