みなさんは、猫の“聞こえない鳴き声”「サイレントニャー」を知っていますか?
鳴こうとしたけれど、たまたま声が出なかった……のではなく、サイレントな鳴き声で、飼い主さんとコミュニケーションをとる猫もいるのです。この少し不思議な「サイレントニャー」についてご紹介します!
サイレントニャーってなに?猫の○○%がしています!
「サイレントニャー」とは、声を出さずに鳴くフリをする“無音の鳴き声”のことをいいます。ただ静かに口を開けるだけではなく、鳴いている様子なのに声だけが聞こえない状態です。
この「サイレントニャー」の主な目的は、飼い主さんへのあいさつとアピール。本来、単独行動をする猫にとっては、このようなしぐさはあまり必要ではなく、飼い主さんと暮らすなかで、いつの間にかするようになることが多いようです。
そして「ねこのきもち」が実施したアンケートによると、「サイレントニャー」をする猫は、なんと全体の45%もいたのだとか!
すべての猫がするわけではありませんが、約半数の猫がサイレントニャーで意思表示をしているんですね。
なぜ、声を出さないで鳴くの?その理由は……
①声を出さなくても察してくれるから
例えば、おやつが欲しいときや、なでてほしいときなど、猫が「サイレントニャー」でアピールしてくることがあります。欲求をサイレントに訴えるのは、声を出さずとも飼い主さんの手厚いお世話が受けられるためだと考えられます。何でも察してくれる飼い主さんに甘えているのでしょうね。
②学習して意図的にサイレントにしているから
猫は繰り返し経験することで、たくさんのことを学んでいきます。「たまたまサイレントに鳴いたら○○してくれた」ということが繰り返されれば、「こうすればイイコトがあるんだ!」と学習し、「サイレントニャー」をするようになることがあります。
そのため、特に成猫・シニア猫をはじめとする知能や経験値の高い猫が、このしぐさをする可能性も高いんだそうです。
③声を出すのが面倒になったから
飼い主さんと目があったり、飼い主さんを見つけたりしたときに、「サイレントニャー」をしてくる猫がいます。瞬きやしっぽを動かすことと同じように、あいさつの意味合いで口を開けているのです。このケースでは、声を出すのが面倒になり、サイレントに鳴くようになったと考えられます。
なんとも、猫らしい理由ですね(笑)
実は声が出ていることも……
口を開けて鳴くようなしぐさをする「サイレントニャー」ですが、わたしたちに聞こえていないだけで、実際には声が出ている場合もあるそうです。これは、人の可聴域と猫の声域に大きな差があるため。猫の声が高すぎて、わたしたちが聞き取れていないということが考えられます。
また、人の可聴域は年齢で変化します。大人には聞こえない猫の鳴き声が、子供には聞こえるということもあるようです。
信頼関係があってこその「サイレントニャー」
「サイレントニャー」は、ただの“無言の鳴き声”ではなく、飼い主さんとのコミュニケーションのために、猫が身につけたしぐさだということがわかりました。このような控えめな行動でも察してくれる飼い主さんの姿は、猫にとって嬉しく心地の良いものなのかもしれませんね。まさに、猫と飼い主さんとの信頼関係があるからこそ成り立つコミュニケーション方法だといえるでしょう!
参考/「ねこのきもち」2018年11月号『知ってる?ココロに響く「聞こえない鳴き声」サイレントニャー』(監修:哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/いけてぃん
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。