飼い主さんがふだん目にしている猫の行動のなかには、つい意味や理由を勘違いしてしまうものも少なくありません。そこで今回は、そんな飼い主さんを誤解させる猫の行動を、3つ取り上げてみました。
家猫になった今でも忘れていない野生の本能に、気付かされるかもしれませんよ。
飼い主さんが使用中のボールペンや鉛筆に噛みつく
飼い主さんがボールペンや鉛筆で何か書いていると、猫が噛みついてくることはありませんか? ガジガジッ、ガジガジッ。「おいっ、食べ物じゃないよ」と飼い主さんは止めたくなりますが、実は猫はペンを食べようとして噛みついているわけではありません。
実はこんな意味だった!
人が文字を書くときのペンの動きは、猫の目線で見ると、まるで獲物のように見えるようです。そのため、思わず狩猟本能が刺激され、仕留めようとしてしまうのだとか。
ペンの動きに刺激され反射的に噛んでいるだけなので、許してあげてくださいね。
窓の外にいる小鳥を見て小刻みに鳴く
“ニャルソック”という言葉があるように、猫は窓際に座って外の景色を眺めがち。たまに小鳥がやってきて、猫が小刻みに鳴いて何か話しかけているように見えますが、「こんにちは」と挨拶しているわけではありません。
実はこんな意味だった!
猫が「カッカッカッ」と小刻みに鳴き声を発するのは、窓の外に鳥などの獲物をみつけたとき。小鳥のことを友達と思っているのではなく、獲物として見ているのでしょう。
せっかく窓の外に獲物を見つけたのに取れなくて、「あの獲物をとりたい! でも取れない……」と葛藤する気持ちのあらわれなので、やさしく見守ってあげてくださいね。
飼い主さんがトイレに入ろうとすると、一緒に入ってくる
飼い主さんがトイレに入ろうとすると、足と扉の隙間から猫がスッと入ってくることが。「トイレの中についてくるくらい、私と一緒にいたいのかしら! 可愛い♪」と飼い主さんは勘違いしてしまいがちですが、猫は飼い主さんと一緒にいたくて追いかけてきたわけではないようです。
実はこんな意味だった!
家のトイレはドアが閉まっていることが多いので、猫にとってはめったに入れない場所。テリトリー内をパトロールする習慣がある猫にとっては、飼い主さんがトイレに入るときが、トイレをパトロールのチャンスだったのです。
「ちょっと中を確認させて」という気持ちで猫は入っているだけなので、自分への愛情を過度に期待しない方がよさそうですね。
猫は家で飼い主さんと暮らすようになった今でも、野生の本能を忘れていません。どんな行動にも猫の本能が隠れていることを思い出せば、意味を勘違することが減らせるでしょう。
参考/「ねこのきもち」2016年6月号『愛猫の行動、こんなふうに思ってませんか?嗚呼、ありがちカンチガイ23』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。