とても嬉しいことに、人の長寿化と同様に、猫の平均寿命も年々伸びてきているようです。完全室内飼いが一般的になり、愛猫の健康管理への意識が高い飼い主さんが増えていますが、ではどうしたら「平均」以上に長生きしてもらえるのでしょう。ご長寿のヒケツを探ってみました。
猫の平均寿命は15.45才!
一般社団法人ペットフード協会が発表した「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」によると、猫の平均寿命は15.45才。ちなみに2011年の調査では14.39才なので、約10年の間に1才近く寿命が伸びているといえます。
東京・新宿にある聖母坂どうぶつ病院の田草川佳実先生によると「これは若い年齢で亡くなった猫の事例も含まれるため、低めに設定された数字。獣医療やフードなどの生活環境が進歩した現代では、猫の平均寿命は今後さらに延びることが予想されるでしょう」とのこと。
ご長寿猫たちの長生きのヒケツは?
全国のご長寿猫の飼い主さんがしている愛猫への工夫には、いくつか共通点がありました。若い猫の飼い主さんも今日から始められる3つのことをご紹介します。
猫におおらかに 接している
「カーペットが猫の爪とぎ跡でボロボロになっても怒らない」など、ご長寿猫の飼い主さんは猫におおらかに接している傾向に。猫はストレスで免疫力が下がって病気になることもあるので、おおらかさは、ご長寿のヒケツといえそうです。
異変を感じたら早めに動物病院を受診している
ご長寿猫の飼い主さんは、「目ヤニが気になるから」など異変に敏感なうえ、ちょっとしたことでも気になることがあったら早めに受診する人が多いよう。早めの受診は、病気の早期発見につながり、長生きへの導いてくれるのでしょう。
適度な刺激があり、リラックスができる環境づくりを心掛けている
ご長寿猫の飼い主さんが声を揃えるかのようにして教えてくれる工夫が「外が見られるようにしている」「日向ぼっこをさせている」の2つ。室内飼いだからこそ、意識して「刺激」と「リラックス」のどちらも手に入る環境づくりを心掛けているようです。
ご長寿術を田草川先生にうかがいました
聖母坂どうぶつ病院の田草川佳実先生は5匹の猫の飼い主でもあります。愛猫の長生きのために心掛けていることを教えていただきました。
猫の病気のサインを見逃さない
猫の病気のサインが表れやすいのは、”食欲”、"体重"、"排泄物"、"飲水量"などの変化。これらは頻繁に確認するそう。
愛猫それぞれに最適なフードを用意
5匹いるので大変ですが、それぞれの年代に合ったフードを選び、健康に問題があれば療法食を与えているそうです。
猫のニーズを満たす環境を整備
”外が見えるようにする”、”爪とぎ器を置く”、”お気に入りの場所をつくる”などを心掛けているとのこと。
人の何倍もの早さで年をとってしまう愛猫に、少しでも長く生きてもらいたいという思いが、平均寿命の更新につながっているのかもしれません。ご紹介したご長寿猫の飼い主さんの工夫を取り入れて、平均寿命20才を目指したいですね!
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE「【獣医師監修】猫の平均寿命と人間換算早見表 世界記録や長生きのコツも」
2016年10月号「全国のオーバー還暦猫が大集合!リアルライフからわかったご長寿術」
(監修:ともに聖母坂どうぶつ病院 田草川佳実先生)
文/ハナマサ
写真/getty images