いつものんびりしているように見える猫ですが、雑食動物の人や犬とは違い、狩りの能力にたけた肉食動物。合わないフードを食べてしまうと、吐く原因になってしまうことも。猫の健康を保つためにも、必要な栄養素を知っておくことが重要です。
雑食性の犬と違って、厳格な肉食動物。
私たちと一緒に暮らしている猫、すなわちイエネコの祖先は、乾燥した地域で進化したリビアヤマネコといわれています。犬の祖先といわれるオオカミや近縁のコヨーテが、状況に応じて腐肉や、ときに果物やキノコも食べる雑食性の動物であるのに対して、猫は狩りの能力にたけた肉食動物です。ネズミ番として人の暮らしに寄り添ってきた歴史のとおり、ネズミや鳥類、は虫類や昆虫などを食べて暮らしてきました。
このため、猫の体にはたんぱく質をエネルギー源として利用するしくみが備わっています。一方で、オオカミのように、植物成分が詰まった獲物の内臓を食べることは好みません。
三大栄養素でみると、人や犬とは大きく異なる。
猫は肉食性の動物です。このため、猫に必要な三大栄養素(たんぱく質・脂肪・炭水化物)の割合は、たんぱく質の割合が大きくなっています。炭水化物や脂肪を主なエネルギー源とする雑食性の人や犬とは大きく異なり、たんぱく質をエネルギー源にできる一方、炭水化物を大量には利用できません。
このほかにも、外部から摂取する必要がある必須栄養素や適正量が異なるため、猫に合った食事を与える必要があります。私たちの食べる食品には猫には害となるものもあるので、人の食事をそのまま猫に与えるのはよくありません。
人、猫、犬で必要とされる三大栄養素の割合。
小動物の臨床栄養学第5版 日本人の食物摂取基準(2015年版)より
引用元:ねこのきもち『愛猫の栄養学事典』