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猫が緊張しているときにする「座り方」 飼い主ができる配慮や対策は?|獣医師解説
愛猫のちょっとした変化にはすぐに気づいてあげたいもの。猫が緊張しているときには、「座り方」を見ればわかることもあるのだそうです。ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。
猫が緊張しているときの座り方は?
——猫は緊張しているときに、どのような座り方をすることが多いのでしょうか?
岡本先生:
「ここでは、猫が緊張しているときによく見られる座り方を2つ紹介します」
①しっぽを体に巻きつけて座る
岡本先生:
「緊張しているとき、猫はしっぽを体に巻きつけた状態でお座りをします。これは『しっぽマフラー』、別名『しっぽ巻き座り』とも呼ばれ、猫が警戒しているときに見せるポーズです。逃げるほどではないけれど、警戒しているときにこのポーズをとることが多いでしょう。
また、嫌なニオイや大きな音などに対して不快に思っているときや、少し不機嫌なときにも、このポーズを見せることがあります。
ちなみに、寒いときにも防寒のためにしっぽを体に巻きつけることがあるようです」
②伏せて後ろ足を体の下にしまい、前足は伸ばした状態になる
岡本先生:
「もう1つは、伏せて両後ろ足を体の下にしまい、両前足は伸ばした状態です。これは『スフィンクス座り』とも呼ばれます。
正座は長時間続けると疲れるため、腰を下ろして休みながら待っていると、このような体勢になります。両前足を前に出しているのは、『気になることがあればいつでも動き出せる』という緊張の状態の場合もあるでしょう」
猫はどのようなことで緊張するの?
——猫はどのようなことで緊張することが多いのでしょうか?
岡本先生:
「たとえばですが…
など、環境が変わったときに緊張することが多いでしょう。ほかにも、日常のなかで猫が緊張しそうなものを挙げるとすると…
などです。猫はこうしたものを嫌い、苦手と思っているものです。具体的な例としては、掃除機、ドライヤー、洗濯機などが嫌いなコは多いでしょう」
緊張しやすい猫の特徴は?
——緊張しやすい猫に傾向は見られるのでしょうか?
岡本先生:
「たとえば、怖がりで神経質なコや、あまり好奇心が旺盛ではないタイプのコは、緊張しやすいといえます」
猫が緊張しているときに、飼い主さんが配慮したいことは?
——猫が緊張しているとき、飼い主さんはどのようなことに配慮すればよいでしょうか?
岡本先生:
「猫がじっとしているときは構いすぎないで、優しく声をかけてあげるのがよいかと思います。
また、猫が緊張しないために飼い主さんができる対策としては、子猫のときから苦手なものに慣れるようにするとよいと思います。たとえば、人がドライヤーを使っているときになでてあげたり、おやつを与えたり、日頃からたまに音を出しておくのもよいでしょう。
ほかにも、近所で工事などが始まる場合は、あらかじめ防音カバー付きのキャリーケースなどの隠れ場を用意しておいたりと、事前に対策をしてあげるのもよいかと思います」
猫にとって安心できる家の中でも、緊張してしまうような場面もあるようです。飼い主さんは、愛猫が見せる「緊張のサイン」を見逃さないようにしたいですね。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/雨宮カイ
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