猫と暮らす
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獣医さんに緊急アンケート! こんな猫飼い主、どう思う?
担当医の変更やセカンドオピニオン、お願いしていいもの?
予防接種に健康診断、もしもの時のケガや病気でお世話になっている獣医さん。いろいろ聞きたいけれど、「こんなこと聞いていいのかな?」「正直なところ、どう思っているの?」と、猫飼いさんからはなかなかギモンを口にはできないものですね。
そこで、現在、現役で大活躍中の獣医師10名の先生に緊急アンケート! 猫飼いさんの日頃聞きたかった質問に答えてもらいました。
Q1.同じ院内で、担当医師を代えてほしいとお願いしたら不愉快ですか?
A1.「むしろうれしい」4人、「気にならない」2人、「場合によっては不愉快」1名、「そのほか」3人。
飼い主さんの安心や満足が最優先なので、担当医を代えるのは問題ないという好意的な意見が多い一方で、「傷つく」「ショックを受ける」という感想も。獣医と飼い主であっても、人と人。相性があるのは仕方ありませんが、伝え方には注意したほうがいいようです。
Q2.セカンドオピニオンを受けたいといわれたら正直、嫌ですか?
A2.「ちっとも嫌ではない」7人、「うれしくはないが仕方がない」2人、「あまり気にならない」1人、「やはり嫌」1人。
「今の時代、当然の権利」「最初に治療した自分の答え合わせにもなる」と好意的な回答もありますが、「自分の専門分野だと落ち込む」との意見も。
もし、セカンドオピニオンを受けるとしたら、堂々と担当医に相談を。こっそり別の動物病院で診察を受けた場合、同じ検査をもう一度しなければならず、猫ちゃんの負担が大きくなるためです。
インターネットに高額医療、今ドキならではのギモン
続いては、今の時代ならではのギモンです。
Q3.インターネットの情報に頼る飼い主に嫌だと思ったことはありますか?
A3.「ときどきある」5人、「あまりない」4人、「まったくない」1人、「よくある」0人。
インターネットは、「猫の病気を学ぶツールとしてはアリ」という反面、根拠や真偽、発信元不明の情報を鵜呑みにしている飼い主さんには「困った」という意見も。自己判断せず、ネット情報の真偽は、必ず獣医さんに確認しましょう。
Q4.支払いが難しそうで、提案できなかった治療はありますか?
A4.「あまりない」5人、「ときどきある」2人、「まったくない」2人、「よくある」1人。
健康保険に加入している人間と違って、猫ちゃんの医療費は高額になりがち。それでも、命には代えられないと、高額な検査や治療をのぞむ飼い主さんは、少なくありません。そのため、獣医さんは、選択肢のひとつとして高額医療は提案するものの「無理なく、できる範囲で」というのが、共通の意見でした。
どうしてる? モンスター飼い主さんとの付き合い方
社会問題にまで発展しているモンスターペアレンツ。でも、猫飼いさん(=親)がモンスターペアレンツならぬモンスター飼い主になってしまい、愛猫(=子ども)がお世話になっている動物病院で問題を起こしてしまうことも。
そこで聞きたいのがこの質問です。
Q5.対応に困ってしまう飼い主さんはいますか?
A5.「ちょっとはいる」6人、「あまりいない」4人、「たくさんいる」0人、「まったくいない」0人。
「いる」とこたえた獣医さんに聞くと、「待ち時間の長さに文句」「必ず時間外に来院」「深夜に緊急性のない電話」「時間にルーズ」など、時間に関するトラブルが多いそうです。そのほか、投薬の指示を聞いてくれない飼い主さんもいるとか。
そこで、続いて聞きたいのがこの質問。
Q6.飼い主さんや猫の好き嫌いで対応が変わることもありますか?
A6.「まったくない」6人、「あまりない」2人、「ときどきある」2人、「よくある」0人。
「治療を人や猫で変えることはない」が「でも苦手な人はいる」というのが、獣医さん共通の本音。中には、「飼い主さんと意思疎通ができず治療しにくいことがあった」という獣医さんもいました。
いくら愛猫が心配でも、モンスター飼い主化には要注意です。最低限のルールとマナーを守り、一方的に自分の意見を言うのではなく、獣医さんからの質問には答え、指示に従うなどコミュニケーションを。それが一番、猫ちゃんが元気になる近道です。
Q7.飼い主さんにもっとこうしてほしいと望むことはありますか?
A7.「ある」10人、「ない」0人。
全員の獣医師さんが「ある」と答えましたが、やはりモンスター飼い主さんへの注文かと思いきや、一番多かったのは「猫の異変に気付いたら、すぐに受診を」というリクエストでした。
やはり、どんな時でも獣医さんが最優先するのは、猫ちゃんの健康。そのために、飼い主さんは、獣医さんと二人三脚で猫ちゃんを見守らなければいけません。
信頼できる獣医さんとの出会いは、飼い主さんも猫ちゃんも幸せにします。獣医さんの本音を知ることは、良好な関係を築く第一歩ですね。
出典/「ねこのきもち」2017年2月号『愛猫の健康を守るのは獣医師 動物看護師 飼い主の連携です! 第1回獣医師編』
文/ヤマモト トモミ
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