猫と暮らす
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死ぬ前に姿を消すのは本当? 猫の老化と亡くなる前の変化を知って看取りに備える
老化による行動と体の変化
岡本先生:
「高いところに登りづらくなる、寝ている時間が増える、爪とぎが減るなどの変化があらわれます」
ーー老化すると活発さが減る印象ですが、食生活にも変化があらわれるのでしょうか。
岡本先生:
「食事量が減り、飲水量が増えることが多いです」
ーー食生活が変わるということは、当然、便の状態や排尿量も変わってきますよね。
岡本先生:
「便秘気味になり、排尿量が増えることが多いです」
ーー猫の老化は、どこかひとつの状態が大きく変わっていくのではなく、いろんなところに少しずつ変化があらわれるのですね。
姿を消すのは本当?死ぬ前の行動
岡本先生:
「外にいる猫の場合は、具合悪くなると敵から身を守るため、狭い場所に隠れて身をまもります。そのまま動けなくなることが多いので、こう言われているのでしょう」
ーー姿を消すのは、猫が外で暮らしていたころに見られた行動なのですね。ただ、家猫でも亡くなる前に寒い場所や、暗い場所へ行きたがることがあると聞きます。どういう理由があるのでしょうか。
岡本先生:
「猫は亡くなる前に循環が悪くなり低体温になります。低体温になると暑く感じ、冷たい場所にいきたがることがあります」
ーー家猫が暗くて寒い場所へ行きたがるのは、外で猫が姿を消すのとは違う理由だったのですね。
猫も死期を悟る?終末期にできるケア
岡本先生:
「猫が自分の体調から死を悟ったり、死という概念を理解している可能性は低いと思います」
ーー猫自身は、死について理解していない可能性が高いのですね。しかし、死期が近いことを感じる飼主さんからしてみれば、最期に何かしてあげたいと思うのではないでしょうか。老衰まぎわの猫のためにできることはありますか。例えば、ゴハンが食べられなかったり、水が飲めなかったりする場合は、スポイトなどで与えてもいいのでしょうか。
岡本先生:
「嚥下(えんげ)ができ、猫が嘔吐しなければ、スポイトや給餌用の注射器で食事や水分補給を補助してあげてもいいと思います。しかし、死が近い状態ですと嚥下が困難なケースが多いので、その場合は無理しないでください」
ーー体の状態に合わせて、負担や無理のかからないケアが大切ですね。
取材・文/小崎華
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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