猫の寿命が延び、"猫生"の半分は「シニア期」といわれる時代。まったりほっこりなシニア猫さんとの暮らしをレポートします。今回の飼い主さん&シニア猫は、愛知県 H・Aさんとつきくん(オス・推定22才)です。
満月の夜にわが家にやって来た愛猫つき
若い頃のつきくんは、当時の飼い犬も恐れるほどの〝やんちゃ”ぶりだったとか。きりっと凛々しい顔つきです
ある満月の夜、わが家の庭にお腹をすかせて現れた子猫が、愛猫つき。その頃の母は動物が苦手だったので、祖母の部屋で飼うことに。大好きだった祖母が他界したときは毎日祖母の帰りを玄関で待っていた、つき。その姿を今でも思い出します。
若い頃のつきはとても活発。当時は外への行き来を自由にさせていたので、庭に出ては鳥や蛇を獲ってくることもしばしば。愛犬もその迫力に恐れをなすほどでした。そして、7才頃、脱走して1週間戻らなかったときは、どんなに心配したことか。
年を重ねて穏やかな性格に
一日のほとんどを寝て過ごすというつきくん
そんなつきも、今ではすっかり穏やかになり、甘えん坊に。歯もほとんどなく、顔つきも優しくなりました。私が結婚を機に家を出てからは、母にも甘えるように。腎臓を患ってからは、活発さも影をひそめ、多くの時間を寝て過ごすようになりました。一度寝ると、どんなに騒がしくても起きないほどです。
青春を共に過ごした大親友だよ
シニアになり、痩せて寒がりになったつきくんのために、冬は猫用ちゃんちゃんこを着せているのだとか。暖かいらしく〝気に入っている”様子
私たち夫婦は、愛猫めもを連れて実家で同居するようになり、その頃、愛猫なつを保護。つきの周りは一気に賑やかになりました。再び一緒に暮らすようになって実感する、つきの年齢。体調の変化にすぐ気づいてあげられるよう、歩き方やトイレを見守り、食べているときに口を痛そうにしていないかなど観察します。そして投薬。つきは鬱陶しそうにしていますが、これもつきのためです。
つきは私にとって、飼い猫というよりは青春を共に過ごした"親友"。何度もケガや病気を乗り越えてくれて、長生きしてくれてありがとう。「わが生涯に一片の悔いなし!」と思ってもらえるように最期までお世話させていただきますね、ボス!
毛づくろいをほとんどしなくなったつきくん。毎日のブラッシングは欠かせないのだとか。特に夏は、ブラシをしっかりかけてあげるそう
出典/「ねこのきもち」2023年1月号『シニア猫と暮らして』
構成/犬神マツコ
※この記事で使用している画像は2023年1月号『シニア猫と暮らして』に掲載しているものです。