猫が入院する原因は?
猫が入院する原因として最も多い病気が「腎不全」。それから「尿道閉鎖」「糖尿病」と続きます。入院中の治療としては、脱水を改善すること、炎症を抑えること、感染を予防することなどが一般的で、入院して静脈点滴を受けることが多くあります。また手術をする際や外傷がある場合は、傷の管理や安静を保つために、管理入院することも。以下には、症例を2つ挙げています。
症例1:腎不全で入院
多飲多尿の症状が見られ、病院へ連れて行くと腎不全と診断。常時静脈点滴を受けるために5日間入院することになりました。現在、数値はよくありませんが、症状は安定しています。
症例2:糖尿病で入院
愛猫が急に痩せたように感じたので、病院へ連れて行くと糖尿病になっていました。3日間入院し、今では自宅でインスリン投与をしていますが、入退院を繰り返しています。
猫が手術する病気って?
手術と聞くと腫瘍や腫瘤を取り除くようなイメージがありますが、なんと猫の手術理由で最も多いのは「歯周病」です。その他にも「歯根膿瘍」や「根尖膿瘍」といった、口腔内の病気が原因で手術するケースも多いのだそう。しかしこれらは、普段から歯磨きや口の中のチェックをすれば防げたはずですよね。ほかにも消化管内異物(誤食)や外傷、骨折なども、生活環境を整えて怪我をしにくい状態にしてあげることで予防できます。
さらに膀胱結石や尿道閉塞、尿石症といった病気も、手術の原因として多く挙げられます。これらは健康診断を定期的に受けていれば、結石ができやすい体質であることが分かるので、療法食で未然に発症を防ぐことができます。つまり、飼い主さんの日頃のケアや配慮で防げる病気が多いのが実情と言えますね。
愛猫を入院・手術させないために飼い主さんができること
毎日猫の健康チェックをしよう!
普段から歯磨きや口の中をチェックすることで、歯周病や口腔内の病気を防ぐことができます。そして一日に一度は猫の顔や体に触って、異変や嫌がるところがないかを確認しましょう。腫瘍の早期発見に繋がります。排泄物の量や色、状態のチェックも忘れずに行ってください。
安全な環境づくりを目指そう!
誤食しそうなおもちゃや紐などは、猫の目の届かない引き出しなどに必ず片付けておきましょう。骨折や外傷の原因は脱走やベランダからの転落が多いので、窓を開けっ放しにしないように心がけて、ベランダに出すときは落ちないような工夫をしましょう。
定期的に健診を受けよう!
0〜9才なら年に1度、10才以上なら年に2回は病院での定期健診を受けましょう。血液検査や尿検査で、尿石症や腎不全などになっていないか確認してください。
去勢・避妊手術を検討しよう
オスは去勢手術を受けると、精巣腫瘍の予防になります。メスは避妊手術で子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などの病気が防げます。交配をしないのならば、適切なタイミングで手術を検討しましょう。
日々の心がけと愛猫とのスキンシップで、未然に防げる病気がたくさんあることが分かりましたね。大事な愛猫の健康を守るためにも、今すぐできることから改善していきましょう。
出典/「ねこのきもち」17年10月号『イマドキ猫の健康事情』(監修:聖母坂どうぶつ病院 獣医師 鵜飼佳実先生)
文/tu-ca
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。