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猫が心のバランスを崩したときにとる行動と病気 飼い主ができるケア

人の場合、体の健康を保つためには、メンタルヘルス(心の健康)も重要です。実は、猫も人と同じで、ときには心のバランスを崩してしまうことがあるそうです。

そこで今回は、猫が心のバランスを崩したときにどのような行動をとるのかを、動物看護師の小野寺温先生に伺いました。

常同行動

毛づくろいをする猫
takashikiji/gettyimages
常同行動(常同障害)とは、動物が同じ行動を何度も繰り返すことです。その動物が「この行動をしていないと落ち着かない」と感じると、不安やストレスを軽減させるために、同じ行動を執拗に繰り返すと考えられています。

猫の場合は、お腹や内ももなど特定の部分を執拗になめ続ける、過剰な毛づくろいが特に多いようです。ほかにも、同じ場所を黙々と行き来し続けたり、レジ袋や毛布などを口にしたりする行為も、常同行動に含まれます。

攻撃行動

威嚇する猫
Vyacheslav Dumchev/gettyimages
心のバランスが崩れていると、強い恐怖で追い込まれたときなどに、近くの人や猫を噛んだり引っかいたりといった「恐怖性攻撃行動」をとることがあります。
また、大きな音などの刺激に驚いたとき、八つ当たりのように攻撃行動をとる場合も。これは「転嫁性攻撃行動」と呼ばれています。
攻撃の対象は、恐怖や驚きの原因に対してではなく、たまたま近くにいた人や猫になることも多いようです。

不適切な場所での排せつ

猫トイレと猫
Irina Vasilevskaia/gettyimages
心の問題が引き金となり、トイレ以外の場所で排せつをしてしまうこともあります。慢性的なストレスが原因の「粗相」や、突発的な恐怖などで起きる「失禁」、なわばりを誇示する「マーキング」など、さまざまなケースがあるようです。

体調の変化が起こる場合も

眠る猫
HT-Pix/gettyimages
不安やストレスを抱えていると、免疫力が低下するほか、さまざまな病気を発症するきっかけになることがあります。
・特発性膀胱炎
細菌や尿結石などの原因がないのにもかかわらず、膀胱炎の症状があらわれることがあります。

・猫カゼ
過去、猫カゼにかかったことがある個体の場合、免疫力が低下すると体内のウイルスが活性化して、症状が再発するケースがあります。

・胃腸障害
消化器の機能が低下して、嘔吐や下痢、食欲低下などの症状が出る場合があります。

・脱毛・皮膚炎
常同行動の過剰な毛づくろいによって、なめすぎた部分の毛が抜けたり、炎症を起こしたりすることがあります。
猫が心のバランスを崩したときにどのような行動をとるかを知っていれば、心の不調にいち早く気付くことができます。普段から、愛猫のメンタルヘルスに気を遣えるようにしましょうね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2021年3月号『ステイホームで分離不安に!? 春はバランスを崩しやすい 猫だって気を付けたいメンタルヘルス』
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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