猫が便秘になったら、動物病院で受診・検査したうえで治療をおこないますが、場合によっては、家庭内で便秘解消の工夫を施すことも。そこで今回は、おウチでできる猫の便秘解消法について、獣医師の小林清佳先生にお話を聞きました。まずは、猫の便秘の特徴について見ていきましょう。
猫の便秘って?
健康な猫は1日1回排便するとされているので、2日以上排便がないときは便秘の疑いがあります。また、食事量は変わっていないのにいつもと比べて便の量が少ない、便が固くやや大きいといった場合も便秘の可能性が。
そのほか、トイレにいる時間が長かったり、何度もトイレに行ったりするときも要注意。便が出にくくなっているのかもしれません。さらに、排便後におう吐をする場合は、便秘で固くなった便を排泄しようとおなかに力を入れることで胃や腸に負担がかかり、吐き気が起こりやすくなっている状況が考えられるでしょう。
おウチでできる便秘解消法
便秘の原因によっては、家庭内の取り組みで改善する場合もあります。獣医師と相談のうえ、以下のような便秘解消法を試してみるのも一案です。
水分補給を促す
水分量の多いウエットフードを増やす、猫がよくいる場所に複数の水飲み場を設ける、新鮮な水にこまめに取りかえるなどして、水分補給を促しましょう。
誤食防止対策
固形物を誤食してしまうと、便の通り道を妨げたり塞いだりしてしまうことがあります。誤食のおそれがあるものは、猫が触れないところに収納しましょう。
こまめなブラッシング
便に被毛が混じると固くなりがちなので、こまめなブラッシングで、毛づくろいによって飲み込む被毛を減らしましょう。
猫トイレの環境改善
猫がトイレへ行きやすい環境づくりも大切です。トイレの数を増やしたりトイレ掃除をこまめにしたりするほか、容器・設置場所・トイレ砂なども見直してみましょう。
機能性フード・サプリの活用
便秘解消や予防として、腸を整えて健康的な排便を維持するための機能性フードやサプリメントを与えることも効果的です。
おなかのマッサージ
猫のおなかを、手のひらで円を描くようにマッサージすると、腸の動きが良好になります。10回程度を目標に試してみましょう。ただし猫が嫌がる場合や、巨大結腸症、腸内腫瘍のときはNGです。
適度な運動
運動不足によって食が細くなり、便のかさが出ずに排便の間隔が空くようになったり、腸の動きが鈍くなったりすることも。たくさん遊んで運動量を増やしてみましょう。
ストレスを排除することも大切
ストレスで自律神経が乱れると、猫は便秘を起こしやすくなります。
便秘を引き起こす猫のストレスとしては、同居猫との関係がよくない、トイレ環境に不満がある、季節や環境の変化などが挙げられますが、たとえば仲がよくない同居猫がいる場合は、それぞれのトイレを離れた位置に置くなど、ストレスをできるだけ取り除く工夫をしてあげるとよいでしょう。
猫が便秘になる理由はさまざまです。愛猫に便秘が疑われる場合、まずはかかりつけの動物病院で相談してみましょう。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカ動物病院院長)
参考/「ねこのきもち」2024年11月号『「固いウンチだけじゃない?」じつは複雑 猫が便秘になるワケ』
文/江村若奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。