1匹でも3匹でもない、「猫2匹」ならではの関係性とはどのようなものなのでしょうか?今回は愛猫2匹の関係性について、飼い主さんたちのエピソードをご紹介。
また獣医師の椎木亜都子先生に、猫2匹とよりよく暮らすためのアドバイスをいただきました。
猫の「2匹飼い」には飼い主さんのサポートも大切
本来、猫は単独で行動する動物ですが、相性のよい猫との同居はお互い遊び相手になり、よい刺激が得られます。しかし、ぎこちない関係性になると修復が難しいことも。
2匹がより暮らしやすくなるには、飼い主さんが猫同士の関係性をよく観察し、ときにサポートしてあげるとよいでしょう。
「2匹飼い」の暮らしぶりとはどのようなものなのか、実際に2匹の猫と暮らしている飼い主さんたちのエピソードをご紹介します。
お互いを見守っているよう(埼玉県・Sさん)
「みやおは年の離れたエイトをわが子のように可愛がり、エイトもみやおを慕っているように見えます。
最近は高齢のみやおの体調がすぐれず、2匹で遊ぶ時間が減少。エイトは状況がわかっているかのように、優しくみやおの様子を見守っています」
【椎木先生より】飼い主さんをひとり占めする時間の確保を
「エイトちゃんは、自分を可愛がってくれていたみやおくんを同じくらい慕っているのがわかります。ただ、本当はもっと遊びたいと思っているはずです。エイトちゃんが飼い主さんをひとり占めできる時間もつくってあげるとよいでしょう」
場所の取り合いでケンカに(福井県・Uさん)
「じじは甘えん坊、めいは優しくてマイペース。2匹は大体いつもお互いの存在が見えるところにいます。
ただ、場所の取り合いでケンカになることも。1匹でいるのが好きなめいのところに、じじがくっ付きに行き小競り合いが起こるときもあります」
【椎木先生より】2匹が好む場所を増やしてみて
「居場所の取り合いは、同居猫とのケンカの原因として“あるある”です。じじくんは、『めいちゃんの場所のほうがいいな』と思っているのかも。猫ベッドを複数置くなど、それぞれが好む場所を増やしてみると、関係性もよりよくなるでしょう」
普段は個別で行動(東京都・Mさん)
「らんまとかげちよは普段、それぞれお気に入りの場所にいて、近くにいることは滅多にありません。遊びやゴハンのときには、必ず取り合いのケンカに。らんまが興味本位で近付こうとしても、かげちよは1匹でいたいのでまったく受け入れず、猫パンチが炸裂することも」
【椎木先生より】それぞれが落ち着ける場所を用意して
「今のところ基本はそれぞれのスペースで過ごせているようですが、今後、居場所の取り合いが激しくならないよう、別の部屋に落ち着ける場所を作ってみて。別室で1匹ずつ遊んであげるなど、お互いを気にしなくてもすむような工夫ができるとよいですね」
2匹飼いに関するQ&A
猫2匹と暮らすうえでの疑問点を、椎木先生に聞いてみました!
Q.1:一緒に過ごす時間が長いほうが仲よくなれる?
A.1:相性が合わない2匹が一緒にいると、徐々にストレスがたまって関係がさらに悪化する可能性も。2匹の性質を尊重して、無理に距離を縮めさせないようにしましょう。
Q.2:2匹飼いは3匹以上よりも絆が強まりやすい?
A.2:2匹飼いは、3匹以上よりもお互いの存在を強く意識します。相性がよければ、よい相棒として強い信頼関係が生まれるでしょう。しかし、相性や環境によってはお互いが唯一のライバルになり、関係が悪くなりやすい面も。
Q.3:じゃれ合いとケンカはどう違うの?
A.3:じゃれ合いでは、「追いかける側」と「追いかけられる側」の立場が途中で入れ替わるのが基本です。しかしケンカでは一方的な攻撃が見られ、立場が逆転しないケースが多いです。
激しいケンカのときには手を出して止めるのではなく、おもちゃの音などで気をそらしてみて。
2匹飼いの猫は、関係性がよくも悪くも変化しやすいものです。たとえどのような関係性であっても、猫たちが快適に暮らせるようにサポートしてあげましょう!
お話を伺った先生/椎木亜都子先生(獣医師)
参考・写真/「ねこのきもち」2024年11月号『ほっこりも、ぎこちないのも「ふたりだけ」だからこそ。飼い主さんが語る2匹暮らしって、こんな感じ』
文/藤真もとみ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。