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被災地で進む保護活動 「社会化ボランティア」とは

金沢市の中心部から車で約30分の場所にある、石川県森林公園に、この春「いしかわ動物愛護センター」が誕生しました。開所当初より、能登地方で被災した猫も多数収容しているそうです。身近で親しみやすい公園内に佇むセンターには、猫が引き取られやすくなる環境も整い、連日、多くの人が訪れています。

*記事内容はすべて2024年10月10日現在のものです。

能登からやってきた被災した猫のこと

今年(2024年)1月、能登半島地震が発生し、飼えなくなったり、行き場を失った猫が多数保護されました。

「ここは一般の方からの引き取りは行わず、県内4つの保健福祉センターに収容された動物が集まってくる施設です。能登地域からの要請は1~3月がとくに多く、旧センターで100匹以上の猫を引き取りました」とは、いしかわ動物愛護センター所長の大矢英紀さん。さらに、大矢さんは能登の猫事情を教えてくれました。

「今は完全室内飼いが主流ですが、能登では室内と屋外を行き来させる飼い方がまだまだ多く、不妊手術せずに複数飼いする人もいました。また、外猫に食べ物を与え、繁殖させてしまっていた人もいて、それがこの機に一気に保護されて運ばれてくることも。そういう猫は人に馴れていないことも多く、扱いが大変です」
写真提供/いしかわ動物愛護センター
コンパクトなつくりの「猫マッチング室2」。シャンプーやカットを行うグルーミング室が隣接しています
写真提供/いしかわ動物愛護センター
写真提供/いしかわ動物愛護センター
譲渡対象の猫が暮らす「譲渡猫室」は、ゆっくり猫の様子を見学できる構造になっています。壁にはキャットウォークがあり、ケージの外で過ごす猫の姿も

馴れていない成猫を社会化させる取り組み

今、大矢さんの頭を悩ます問題は「人馴れしていない猫が多いこと」。人に馴れていないと引き取り先が見つかりにくく、なかなか数が減らないそうです。

「石川県では、ミルクボランティアと社会化ボランティアの2つの制度を設けています。人馴れしていない猫は、社会化ボランティアさんの家庭で馴れるまで預かってもらっていますが、一家に1匹が限界です。現在、社会化ボランティアさんは20名ほど。もっと多くの方に協力いただけたらと思っています」

4月の開所以来、まずは譲渡活動を中心に行ってきたそうですが、今後は一般向けの啓蒙イベントやボランティア育成の講習会なども計画していきたいといいます。
写真提供/いしかわ動物愛護センター
子猫もよく収容されるものの、すぐに引き取り手が決まるそう。現在、猫の収容数は約50匹。しかし出入りが多く、日々状況が変わるという
写真提供/いしかわ動物愛護センター
石川県森林公園内にあるセンターは、県産材を使用した木造平屋建て。北陸最大級のドッグランもあり、毎日多くの人が訪れます
出典/「ねこのきもち」2024年12月号『猫のために何ができるのだろうか』
写真提供/いしかわ動物愛護センター
取材・文/野中ゆみ 

※この記事で使用している画像は2024年12月号『猫のために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
※記事の内容は2024年10月10日時点の情報です
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