猫の肛門腺は定期的に絞る必要がある？獣医師に聞いた

猫のお尻から分泌される肛門腺液。飼い主さんが定期的に絞ってあげたほうがよいのか気になりますよね。今回は猫の肛門ケアの必要性やお尻まわりのトラブルについて、ねこのきもち獣医師相談室の原駿太朗先生に教えていただきました。

定期的に肛門腺を絞ってあげるべき？

――猫の肛門腺は、定期的に絞ってあげたほうがよいのでしょうか？

原先生：
「肛門腺から出る分泌物（肛門腺液）は、排便などの刺激に合わせて自然と排出されることがほとんどです。このため、飼い主さんが定期的に絞る必要はありません。ただ、何らかの異変があったときに気付けるよう、定期的に肛門まわりをウエットティッシュなどで拭いてきれいにしてあげることをおすすめします」

肛門腺液が溜まっているときのサインは？

――肛門腺液が溜まっていると、猫はどのようなしぐさを見せますか？

原先生：
「お尻を気にしてなめようとすることが増えたり、地面にお尻を擦るような行動をとったりします」

肛門嚢炎になってしまったら？

――猫が肛門嚢炎になったら、飼い主さんが肛門嚢を絞ったほうがよいですか？

原先生：
「肛門嚢炎を起こすと、ほとんどの猫はそこに触れられることを拒みます。無理やりケアすることはせず、病院で処方された薬などを飲ませるだけにとどめましょう。過度に肛門をなめてしまうようであれば、エリザベスカラーをつけるなどして対策してあげてください」

――肛門嚢炎のほかに、猫のお尻まわりの病気やトラブルはありますか？

原先生：
「便秘や頻尿、尿が出ないなどのトラブルがあります。異変に気付けるよう、トイレ中の動作に変わった様子がないか、便の頻度や硬さ、尿の量やニオイなどに変化がないかチェックしてあげましょう」

飼い主さんが猫の肛門腺を絞る必要はありませんが、お尻まわりにトラブルが起きていたら受診が必要です。排せつ時にふだんと変わった様子がないか、日頃からチェックしてあげてくださいね。