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“猫のセンター長”がお出迎え!? 動物との「共生」を掲げたセンターは動物と共に生きる幸せを教えてくれる場所だった!

東京ドーム約44個分の広大な敷地に、豊かな自然、福祉施設から温泉、スポーツ施設まで、さまざまな施設を有する神戸市「しあわせの村」。ここに2021年に誕生した「こうべ動物共生センター」は、市民が気軽に立ち寄れ、楽しめる施設です。訪れた人を"猫のセンター長"が出迎えてくれます。

*記事内容はすべて2025年2月1日現在のものです。

猫センター長のお仕事

「今日はみにゃさまに重大なお知らせがありますにゃ(重大発表‼)。今日からセンター長が『とらまる』から、ぼく『強(つよし)』に交代しましたにゃ」。──’24年10月1日、神戸市「こうべ動物共生センター」(以下、共生センター)のインスタグラムにこんな一文が投稿されました。

共生センターでは’21年11月より猫がセンター長をつとめ、昨年からは4代目となる強くんが活動しています。強くんは、センター収容時には体重が8㎏超あった大きな猫で、〝平和主義でマイペース〟という魅力的なキャラクターの持ち主です。これまでのセンター長は任期が1年間で、その後、飼い主さんを募集する流れでしたが、強くんはすでに募集中。新たな飼い主さんと出会った段階でセンター長としてのつとめは終了します。

猫がセンター長をつとめる理由は、共生センターの認知度アップのため。譲渡活動と教育・啓発を目的につくられた施設だからこそ、より多くの市民に足を運んでもらえるように、猫のセンター長が来所者を出迎えたり、SNSなどを通じて情報発信を行っています。「みにゃさま、こんにちは。今日は、共生センターに仲間入りした猫さんを紹介しますにゃ」といった具合に、インスタグラムはセンター長が投稿する決まりです。
写真提供/神戸市環境衛生課
4代目センター長、強くん(任期:2024.10~)。 迷子猫としてセンターに収容され、8.3㎏だった体重は現在7.2㎏まで減量
写真提供/神戸市環境衛生課
3代目センター長、とらまるくん(任期:2023.10 ~2024.9)。 センター長の交代式の際、マイクを向けられたとらまるくんは「今日まで続けてこられたのは、応援してくれたみにゃさまのおかげですにゃ」とメッセージしたとか
写真提供/神戸市環境衛生課
2代目センター長、ラピちゃん(任期:2022.10 ~2023.9)

市民と歩む共生センター

神戸市で動物愛護・動物衛生を担当する環境衛生課に話をうかがうと、現在、共生センターにいる猫は11匹。そのほかに、譲渡のための準備をしている猫が「神戸市動物管理センター」(以下、管理センター)に暮らしているそうです。

管理センターは、共生センターの裏方的な役割を担っている施設で、動物の引き取りや譲渡、啓発事業など、もともとはこちらがすべての業務を一括して行っていました。しかし、市民が気軽に足を運べるような施設環境ではなく、動物愛護の新たな拠点として'21年にオープンしたのが共生センターです。最初に猫や犬が収容されるのは管理センターで、まずは健康チェックを受けます。授乳が必要な子猫や子犬はミルクボランティアにお願いします。また、不妊手術をしていなければ(公社)神戸市獣医師会協力のもと手術を実施。そして健康状態や人馴れ具合から、譲渡可能と判断した猫や犬は共生センターに移し、新しい飼い主さんを探します。

共生センターの大きな特徴といえば、「共生」という言葉かもしれません。全国的に「愛護センター」という名が多い中で、「人と動物、お互いの関係を大切にし、一緒に暮らしていこう」との思いを込めて「共生」と掲げるセンターは、動物と共に生きる幸せを教えてくれる場所でもあります。
写真提供/神戸市環境衛生課
初代センター長、みおちゃん(任期:2021.11 ~2022.9)。 センター長の交代は、いつも「重大発表」としてリリース。
写真提供/神戸市環境衛生課
4代目の強くんは推定9才ですが、初代から3代目までは1才未満の子猫のときに就任。現在、先代の3匹は新しい飼い主さんのもとで暮らしているそうです
写真提供/神戸市環境衛生課
共生センターは、宿泊施設、スポーツやレジャー施設、福祉サービス施設、バーベキュー場や温泉などの施設が充実した「しあわせの村」の中にあります。
写真提供/神戸市環境衛生課
ときに村内を散歩中の犬が、室内で遊ぶ猫の様子を見に来ることも
出典/「ねこのきもち」2025年4月号『猫のために何ができるのだろうか』
写真提供/神戸市環境衛生課
取材・文/野中ゆみ 

※この記事で使用している画像は2025年4月号『猫のために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
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