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子猫の命を救うために。母子で運営するNPO法人

静岡県富士市の「子猫園ベルソーデシャトンズ」は赤石さん家族が運営しているNPO法人です。「子猫園」といっても専用施設があるわけではなく一軒家の自宅で、子猫の命を救う活動をしています。「ベルソーデシャトンズ」はフランス語で、「子猫のゆりかご」を意味します。

*記事内容はすべて2025年2月10日現在のものです。

強くて小さなととくん

2023年6月、公立高校の体育館倉庫の中に産み落とされていた子猫。白黒猫と黒猫の4匹きょうだいで、その中にひときわ体が小さい子猫がいました。"とと"と名付けられたその子猫は、ミルクを上手く飲むことができず、視力も弱く、歯もなかなか生えません。

生後6カ月を過ぎた頃からはてんかん発作を繰り返し、のたうち回るほど大きな発作にも見舞われ、昨年には尾の切断手術も経験。そんなととくんは「子猫園ベルソーデシャトンズ」(以下、子猫園)で愛を一身に受け、強くたくましく心優しい猫に成長しました。

「ととは成猫になった今もずんぐりむっくりの幼児体型。『ドワーフキャット(小猫症/先天性甲状腺機能低下症)』という、動物病院の先生にとっても珍しい病気だそうです。でも、ととには応援してくれるファンがたくさんいるんですよ」

お話をうかがったのは、赤石 朔さんと朔さんの母・雪さん。朔さんが子猫園を立ち上げたのは小学5年生の頃で、現在、高校2年生にして保護活動歴6年目。昨年にはNPO法人の認証を受け、朔さんは代表理事に就任しました。
写真提供/子猫園ベルソーデシャトンズ
2023年6月生まれのととくん。オスばかりの4匹きょうだいの中の1匹で、3匹はすでに新しいお家へ
写真提供/子猫園ベルソーデシャトンズ
子猫時代をはじめ、ととくんのこれまでの様子は子猫園のインスタグラムの投稿を遡ると見られる 
写真提供/子猫園ベルソーデシャトンズ
朔さんのことが大好きなととくん。成猫になった現在も体格は小さいまま
写真提供/子猫園ベルソーデシャトンズ
NPO代表理事の赤石 朔さんは高校2年生。保護活動の傍ら、小学6年生の頃には5年生へ「命の授業」を届けたり、昨年は地域包括支援センターで講演するなど、啓発活動も行う。

子猫の命をつなぐ場所

「子猫園にいる成猫はととのほか、マーチとまちおの3匹だけです。まちおは子猫のときにFIP(猫伝染性腹膜炎)の治療をしていて、そのときずっとマーチが寄り添っていました。きょうだいそろって譲渡のタイミングを逃してしまいましたが、もうスタッフの一員といっても過言ではないほど2匹は子猫たちの面倒をよく見てくれます」

成猫になると引き取り先を見つけるのが難しくなりますが、子猫園ではほとんどの子猫が生後半年くらいで新しいお家に迎えられていくそうです。

その名の通り「子猫園」が保護するのは子猫のみ。とくに生まれてまもない幼齢の猫が中心です。猫がどこから来るのかといえば、「庭で生まれた」といった一般の方からの通報や動物愛護センターからの引き取り依頼など。

そのお世話は2~3時間おきの授乳や排泄補助など、ほぼ24時間態勢。下痢やミルクを飲む量が少ないだけで瞬く間に亡くなることがあるそうで、小さな異変を見逃さないよう気が抜けないといいます。
写真提供/子猫園ベルソーデシャトンズ
赤石 朔さん(写真は中学2年生の頃)とマーチちゃん。マーチちゃんとまちおくんのきょうだいは、2022年10月、生後2カ月くらいの頃にお寺で保護された
写真提供/子猫園ベルソーデシャトンズ
まちおくん。子猫のときにFIPを発症したものの寛解した
写真提供/子猫園ベルソーデシャトンズ
子猫園では、毎週日曜日に譲渡会を開催(完全予約制)。訪れた人には時間をかけて猫と触れ合ってもらい、いろんな話をするという
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