飼い主さんのなかには、2匹目を検討している方もいるでしょう。しかし、もともと猫は単独行動する動物。新しく猫を迎えるときは、先住猫がストレスを感じやすい傾向にあるので注意が必要です。
そこで今回は、2匹目を検討中の飼い主さんに実践してほしいことを、獣医師の椎木亜都子先生に教えていただきました。
1.先住猫が複数飼いに向くかどうかをチェック
新しい猫を受け入れやすいのは、年齢が若く、物怖じしない大らかな性格の先住猫。また、2匹目の年齢や体格が同じくらいだと対等な関係になりやすく、うまくいく傾向にあるでしょう。
一方で、下記のリストにチェックがつく猫は、複数飼いには向かないかもしません。2匹目の検討はより慎重に行うようにしてください。
複数飼い向きではない? チェックリスト
- 子猫時代にほかの猫や家族以外の人と接していない
- 臆病で警戒心が強い性格
- 1匹飼いのまま高齢になった
2.可能であればトライアルを行う
2匹目は、行政機関やボランティア団体などから、保護猫を迎えたいという人もいるでしょう。
その場合、先住猫との相性を見るために、一緒に暮らしてみる「トライアル」を利用するのが一般的です。通常は1~2週間ですが、場合によっては延長できるケースもあるので、先住猫となじめそうかじっくりとチェックしましょう。
3.新しい猫との対面は慎重に
新しい猫をいきなり家で自由にさせると、先住猫とのトラブルのもとになります。ケージなしの対面までには以下のようなステップをふみ、2週間~1カ月ほどかけて慎重に行いましょう。トライアルのときも同様です。
ステップ(1)別々の空間で生活させる
新しい猫が新しい環境に慣れるまで2~3日はかかります。最初は先住猫が入れない一室で生活をさせて、そこで飼い主さんがお世話をしましょう。
ステップ(2)ケージ越しに対面させる
新しい猫が排せつや食事ができるようになったら、ケージかキャリーケースに入れた状態で、先住猫と対面させましょう。先住猫が怖がって逃げたら無理強いはしないでください。
ステップ(3)飼い主さん立ち会いのもと自由にさせる
ともに威嚇しなくなったら、飼い主さん立ち会いのもと、2匹を一緒の空間に放してみましょう。どちらかが威嚇をしたら新しい猫をケージに戻し、少しずつ同室で過ごす時間を増やしてください。
先住猫のストレスを軽減するためにも、ご紹介した3つのポイントは知っておくことが大切。ぜひ参考にしてみてくださいね。
お話を伺った先生/椎木亜都子先生(獣医師 「ペット問題行動クリニックBLISS」)
参考/「ねこのきもち」2025年8月号『よくあるシーン別に解説 複数飼い円満のコツは先住猫ファーストにあった!』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。