猫は慕っている飼い主さんへ、さまざまな方法で愛情を伝えています。ふだん何気なくしているように見えるしぐさも、じつは猫からの愛情表現という場合も。今回は、猫が飼い主さんに対して見せる5つの愛情表現について、獣医師の藤井仁美先生に伺いました。
コロンとお腹を見せる
本来、猫は急所であるお腹を見せるのを嫌がります。そのお腹を見せるということは、飼い主さんに心をゆるしている証拠。猫同士では遊びの誘いを意味しますが、人に対して見せるのは甘えの意味が強いでしょう。ただし、猫はお腹をなでると嫌がるので、ほかの方法で応えてあげてください。
フミフミする
母猫のお乳を押し出すように、両前足を交互に踏むしぐさの「フミフミ」。母猫のお乳を吸うように子猫気分で、甘えたい人に対してすることもあれば、感触が猫のお腹に似た毛布などにすることもあります。
のどをゴロゴロと鳴らす
その正体や仕組みは明らかになっていませんが、猫がのどを鳴らしたときに聞こえるゴロゴロ音は、基本的に猫が安心できる相手と一緒にいるときに出す音です。
それを飼い主さんの前で鳴らすとなれば、飼い主さんの存在自体が、猫にとって癒しとなっているからでしょう。
飼い主さんを見ながら爪をとぐ
猫が爪をとぐのは、爪の鋭さを保って、いつでも狩りができるようにするためです。飼い猫でいうと、遊びの準備です。その爪とぎを飼い主さんを見ながらするのですから、「飼い主さんと遊びたい」という気持ちの表れでしょう。
飼い主さんのあとをトコトコついて行く
飼い主さんの行く先々についてくる猫は、飼い主さんの行動を把握しておきたい“束縛猫”。とても甘えん坊な猫に見られるしぐさといえるでしょう。片時も離れずに飼い主さんをそばで見ながら、かまってもらえるタイミングを探っています。
猫が苦手なお腹を見せるのも、何気ないしぐさをわざわざ飼い主さんに向けて見せるのも、飼い主さんに気を許していて甘えている証拠です。愛猫からの愛情表現を見逃さずに、しっかり応えてあげたいですね。
お話を伺った先生/藤井仁美先生(獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー)
参考/「ねこのきもち」2018年6月号『愛情表現のしぐさが丸わかり 毎日は猫からのNyamore(ニャモーレ)に溢れてる!』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。