豪雨や台風に見舞われると、浸水や断水、停電といったさまざまなリスクがあります。家で過ごす愛猫の身を守るためにも、安全に避難するための備えが肝心。今回は飼い主さんのリアルな体験談をご紹介するとともに、災害対策について専門家の香取章子さんに教えていただきました。
2025年8月 大雨による洪水での体験談
近くの川の水位が上がって逆流し、玄関の中まで水が入ってきました。あっという間に床上まであと10cmもないくらいまで水位が上がり、愛猫を抱えて慌てて2階へ。ケージに避難させました。(富山県 S・Yさん)
高い水位になると避難が困難になることも
洪水などの水害では、避難をためらっている間に一気に水位が上がることも。外出が危険な場合は自宅のできるだけ高くて安全な場所に移動する「垂直避難」が現実的です。一方で、安全に外出できる状況なら、避難所や高台への「水平避難」を。災害時は何より迅速な判断が求められます。(香取さん)
2015年9月 関東・東北豪雨での体験談
洪水で浄水場が被災し、3日間も断水。その間は想像以上に水が必要で、備蓄していた水も節約しながら使ってなんとか乗り切ったほど。猫の器はウエットティッシュで拭ってから水ですすぐなど、工夫してやり過ごしました。(栃木県 T・Nさん)
災害時はノンアルコールのウエットティッシュがかなり使えます
水が手に入りにくい災害時、ウエットティッシュは食事や排泄まわりの汚れを拭き取るときなど、さまざまな場面で役立ちます。猫まわりにはノンアルコールのものを使用しましょう。(香取さん)
2013年9月 平成25年台風18号での体験談
近くの川が氾濫するおそれがあったため、地域の住民全員に避難指示が出ました。4匹の猫たちと避難所(学校の体育館)に向かったものの、猫は中へ入れないと言われ……完全に確認不足でした。仕方なく車中で過ごすこと約5時間。恐怖と不安でいっぱいでした。(滋賀県 Y・Nさん)
ペット同伴不可の避難所は少なくありません
猫と同じ場所で過ごす同伴避難は、できない避難所も多いのが現状。事前にペットの受け入れ状況は確認しておきましょう。(香取さん)
2025年9月 令和7年台風15号に伴う竜巻での体験談
仕事で家を留守にしているとき、自宅近くで竜巻が発生。ペットカメラも停電で見られなくなりました。心配しながら帰宅すると、冷房が切れていて……。帰宅後はコードレスの扇風機を回したものの、愛猫が熱中症にならないか気が気でなりませんでした。(静岡県 C・Sさん)
なじみのない災害でも「まさか」に備えて
竜巻は災害の中でも予測が難しいものですが、だからこそ迅速に対応できるよう備えが肝心。停電はほかの災害でも起こり得るので、ポータブルの発電機やバッテリーなどを常備しておきましょう。(香取さん)
2025年9月 ゲリラ豪雨での体験談
近所で落雷があり自宅が停電。まだ迎えたばかりの愛猫とともに、冷房が利かない部屋で一緒に過ごしました。比較的暑くない日かつ夕方だったこともあり、なんとか乗り切れました。(大分県 Y・Hさん)
保冷剤や凍らせたペットボトルが便利!
夏場に停電すると、猫も人も熱中症の危険が。長時間は使えませんが、保冷剤や瞬間冷却剤、凍らせたペットボトルなどを常備しておくといいでしょう。いざというとき、ケージの上などに置いて涼むことができます。(香取さん)
今の備えは、どれくらいの事態に対応できますか? あらゆるリスクを想定し、十分すぎるほどの災害対策をしておきましょう。
お話を伺った先生/香取章子さん(特定非営利活動法人ちよだニャンとなる会業務執行理事 一般社団法人東京都人と動物のきずな福祉協会代表理事 フリーランス・ライター)
参考/「ねこのきもち」2026年3月号『まさか愛猫が 対策していたのに「想定外」なことは、いくらだって起こり得ます。実体験から考える 災害時の備え』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。