「暑い時季は水をたくさん飲むから、猫が脱水になることはない」と思っていませんか? しかし、エアコンの効いた室内ではのどの渇きを感じにくいうえ、空気が乾燥して体内から水分が奪われていくため、知らず知らずのうちに脱水が進む“隠れ脱水”になるおそれが。
そこで今回は、猫の脱水の見分け方やリスクについて、獣医師の重本仁先生に教えていただきました。
脱水症状の見分け方
脱水状態かどうかを見極めるために、皮膚つまみテストをしてみましょう。
猫の首から背中にかけての皮膚を軽くつまみ上げて離し、元に戻るまでの時間で脱水状態かどうかチェック。2秒以上かかったり、テント状に盛り上がったままのときは脱水の疑いがあります。
また、次のような様子が見られたら脱水の可能性が。
歯茎に粘り気がある
歯茎をさわったときに、粘り気がある場合は脱水の疑いが。さらっとしている状態が正常です。
目がくぼんで見える
脱水症状だと、目がいつもよりくぼんで見えたり、疲れたような表情をしたりすることがあります。
オシッコの色が濃い
脱水状態の尿は、濃い黄色〜オレンジ〜茶褐色です。また、1日の尿量も減ります。
脱水が続いたときのリスク
体内で水分が不足すると、体液の巡りが悪くなり、次のような病気にかかるリスクが高まります。
尿石症・膀胱炎
猫はもともと少ない水分で濃い尿をつくる体質ですが、脱水で尿がさらに濃縮されると、ミネラルが結晶化しやすくなり、それが結石となり尿石症に。また、結晶・結石は膀胱の粘膜を刺激し、膀胱炎を引き起こす原因にもなります。
便秘
水分不足になると、便も水分が減ってかたくなります。また、脱水状態では胃腸も血行が悪くなり、蠕動(ぜんどう)運動も鈍くなりがち。かたい便が腸内に溜まることで、さらに水分が奪われ、コロコロの便や便秘になることがあります。
腎臓病
脱水状態が続くと腎臓病になるリスクが高まります。脱水により腎臓への血行が悪くなると老廃物をろ過する機能が停滞し、腎細胞がダメージを受けます。腎細胞は一度壊れると再生せず、腎機能が低下します。
子猫やシニア猫、持病がある猫はとくに注意
とくに注意したいのは、子猫、シニア猫、持病のある猫です。消化器官が発達段階の子猫は、冷えすぎなどの環境変化やストレスに起因する下痢や嘔吐によって、シニア猫は代謝や消化機能の低下に伴う飲水量の減少によって、脱水症状を引き起こしやすくなります。また、腎臓病や糖尿病を抱えている猫は、水を飲まなくてもオシッコだけが出ることがあり、慢性的な脱水状態になりやすいので注意しましょう。
エアコンの影響で、知らぬ間に脱水状態になっていることも。愛猫の様子をしっかりと観察し、脱水状態になっていないかしっかりとチェックしてあげてくださいね。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2026年7月号『夏、気を付けたいのは「暑さ」だけではありません。ねこの冷え過ぎ&隠れ脱水にご用心!』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。