愛猫とよい関係性を保つためにも、日々コミュニケーションをとることは大切です。しかし、接し方を誤ると、猫に強いストレスを与えて関係性が悪化するおそれがあります。そこで今回は、猫にいい刺激・悪い刺激を与えるコミュニケーションのとり方について、愛玩動物看護師の小野寺温先生に教えていただきました。
猫に安心感を与えるコミュニケーションのとり方
猫にとっていい刺激を与えると、心身のリフレッシュや活性化につながるほか、自律神経が安定して生活リズムも整いやすくなります。では、どのようなコミュニケーションのとり方をすると、猫にいい刺激を与えられるのでしょうか。
声を掛けてから触れる
やさしく声を掛けることで、猫の心の準備ができてスキンシップを受け入れやすくなります。リラックスできるため質の高いスキンシップになり、猫にとっていい刺激に。穏やかな声かけのあとに心地よいスキンシップを日常的に繰り返すことで、声かけが猫の安心感に結びつく効果もあります。
猫が気持ちいいところをやさしくなでる
気持ちいいところをなでられると、猫はリラックスして副交感神経が優位になりいい刺激に。全身が緩んで、休息モードに切り替わりやすくなります。
顔まわりをなでられるのが好きな猫が多いですが、どこに触れられるのが好きか苦手かを観察して、愛猫好みのスキンシップをとりましょう。
猫によっては“触れないコミュニケーション”がよい場合も
密着を好む猫ではない場合、直接触れないコミュニケーションが心地よい場合も。目が合ったらゆっくりまばたきをする、同じ空間で静かに過ごすといった適度な距離感のあるコミュニケーションで、愛猫が安心を感じられる穏やかな刺激を与えてあげてください。
猫がストレスを感じてしまうコミュニケーションのとり方
以下のような接し方やスキンシップのとり方をしてしまうと、猫に悪い刺激を与えてしまい、攻撃やそそうなどの問題行動が増えたり、飼い主さんとの関係性が悪化したりするおそれがあります。
コンタクトをとらずに触れる
目を合わせたり、声をかけたりせずに背後などの死角から突然触れると、猫は「危険かもしれない」と感じて瞬時に警戒モードに。
とくに、寝ているときや集中して外を見ているときなどは不意打ち感が増して、猫にとって悪い刺激に。何気ないタッチでも、猫を驚かせてしまわないか意識しましょう。
長時間スキンシップをとる
心地よいはずのスキンシップも、強すぎる、長すぎるなど過剰と感じられてしまうと一転、猫にとって悪い刺激に。「もうやめて」と感じるとストレスになり、急に攻撃的になるケースも。「もの足りないかも」くらいの短さで、余韻を残して切り上げるのがベターです。
離れようとしている猫を抱き上げる
抱っこによって逃げたいのに逃げられない状況になることは、猫にとってはコミュニケーションではなく、拘束に近い体験となります。
「何をされるかわからない」という不安が高まり、防御反応で攻撃的になることも。人そのものへの警戒につながることもあるので、無理に抱き上げようとするのは控えてください。
独りよがりにならないコミュニケーションを心がけて
飼い主さんの独りよがりなコミュニケーションのとり方をしてしまうと、猫に強いストレスや不安感を与えてしまうおそれがあります。
猫が安心や心地よさを感じられる“猫ファースト”を意識したコミュニケーションを心がけて、愛猫との絆を強めましょう。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 愛玩動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2026年8月号『気付きの違いで、ワクワクにもビクビクにも 知っておきたい 猫にとってのポジ刺激ネガ刺激』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。