鋭い嗅覚と聴覚で、ニオイや音の刺激からあらゆることを感じ、読みとっている猫。では、猫にとっていい刺激となるニオイや音には、どのようなものがあるでしょうか。今回は、猫にいい刺激・悪い刺激を与えるニオイや音について、愛玩動物看護師の小野寺温先生に教えていただきました。
猫に安心感や期待感を与えるニオイ
以下のようなニオイは、期待感や食欲をアップさせる、安心感を得られるなど、猫にいい刺激を与える効果を期待できます。
ゴハンやおやつのニオイ
猫にとって食べ物のニオイは、生きることに直結するいい刺激を与えてくれるもの。猫は嗅覚によって食べ物かどうか、安全そうかなどを認識しているので、おいしそうなニオイは期待感や食欲アップにつながります。
ウエットフードやふやかしたドライフードを軽く温めて与えると、ニオイの刺激を高められるでしょう。
自分や飼い主さんのニオイ
猫は慣れたニオイや自分の縄張りのニオイから安心感を得るので、自身や信頼する飼い主さんのニオイは、心を落ち着かせられるなどいい刺激になりやすいです。
猫が飼い主さんのベッドでぐっすり寝ているのは、飼い主さんのニオイで安心を感じ、深くリラックスしているということでしょう。
猫に警戒感を与えてしまうニオイ
ニオイのなかには、猫に不安や恐怖、葛藤やストレスなどの悪い刺激を与えてしまうものも。以下のようなニオイは、猫の嗅覚に負担をかけたり、警戒心を与えたりしてしまうので注意しましょう。
ネガティブな経験と結びつくニオイ
「怖かった」「痛かった」といったネガティブな経験と、そのときのニオイが関連づくと、猫はニオイだけで警戒や緊張を感じてしまうことがあります。
動物病院から帰った猫から消毒液や犬などのニオイを感じ、同居猫が警戒するといったケースもあるので、状況に応じて猫同士を隔離するなどの対策を講じましょう。
人工的な強いニオイ
嗅覚が鋭い猫にとって、自然界にはない人工的で濃い香料は嗅覚に強い負担を与えます。安心できるニオイ環境を乱し、逃れられない悪い刺激となってしまうので、香水や芳香剤などの強い香りがするものは猫がいる空間で使わないようにしましょう。
猫のワクワク感や期待感をアップさせる音
ニオイの刺激に加え、音の刺激も猫にとって重要な感覚情報です。とくに以下のような音は、猫の本能にいい刺激を与え、ワクワク感や期待感などをアップさせてくれます。
いいことが起きる合図となる音
フードの袋や缶詰めを開ける音などのゴハン関連の音や、大好きなおもちゃが入った引き出しを開ける音など、うれしいことが起きる前触れになる音は、多くの猫にとっていい刺激になります。
ゴハンや遊びの前にあえてそれらの音をたて、猫の期待感をアップさせるのもいいでしょう。
狩猟本能を刺激する音
ネズミや虫を思わせるような、小さく不規則で高めのカサカサ音には、多くの猫が敏感に反応します。
狩猟本能を刺激して猫をワクワクさせやすいので、カサカサ音がするじゃらしおもちゃを壁にはわせたり、家具に軽く当てたりしていろいろな音を出すと、愛猫の反応もアップするはずです。
猫に身の危険を感じさせてしまう音
逆に以下のような音は、猫の心身や聴覚に悪い刺激を与えてしまうおそれがあります。
突発的で大きな音
予測不能な大きな音は、猫にとって身の危険を感じさせる悪い刺激になります。ドアを閉める音など、人がたてる音で猫を驚かせていないか注意してください。
また、思いがけずものを落とす、倒すといった大きな音で愛猫に悪い刺激を与えないよう、ものはしっかり固定するなど、置き方や収納の仕方を工夫しましょう。
長く続く高い機械音
猫は人よりも高音域の音も聞きとるため、高めの機械音などが聴覚に強い刺激を与えることがあります。ミキサーや電動歯ブラシなど、人にとってはそこまで気にならない音でも悪い刺激を与える可能性があるため、猫のいる空間でそういったものを長時間使用するのは控えたほうがベターです。
愛猫に悪い刺激を与えてしまうニオイや音を出していないか、今回ご紹介した内容を参考に、ふだんの生活を見直してみてはいかがでしょうか。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 愛玩動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2026年8月号『気付きの違いで、ワクワクにもビクビクにも 知っておきたい 猫にとってのポジ刺激ネガ刺激』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。