暑い夏、熱中症予防のためにエアコンをつけている家庭も多いでしょう。しかし、設定温度が低すぎると、猫は体調を崩すことがあるので注意が必要です。
今回は猫の冷えすぎサインやリスクについて、獣医師の重本仁先生に教えていただきました。
人に快適な室温が、猫も快適だとは限らない
猫の平均体温は38℃台と、人より高めです。そのため、夏の室温は28〜30℃が推奨されますが、それでも猫にとっては涼しすぎることがあります。
子猫やシニア猫はとくに注意を
まだ体が発達段階にある子猫は、まわりの温度変化にすぐに対応できません。体が小さく、筋肉や脂肪も少ないため、熱を蓄えにくいのです。シニア猫も加齢とともに筋肉が落ち、代謝も衰えてくるため、体内で熱をつくり出す力が弱まっています。
こんな症状が見られたら「冷えすぎ」かも?
体が冷えすぎていると、次のような様子が見られることがあります。
- 元気消失、ずっと丸まって動かない
- 耳や肉球が冷たい
- くしゃみや鼻水が出る
- 下痢や嘔吐が続く
上記のような症状が続く場合は、一度動物病院へ。免疫力が低下し、体調を崩しているのかもしれません。
猫の体が冷えすぎるとどうなる?
冷気で体温が急激に奪われたり、乾燥した空気を吸い続けたりすると、次のような不調を引き起こすリスクがあります。
泌尿器の不調
冷えすぎると、飲水量の減少によって尿が濃くなり、尿石症になりやすくなります。また、冷え自体がストレスとなって特発性膀胱炎となったり、体温が低下して免疫機能が弱まると膀胱炎や尿道炎などの細菌感染症にかかりやすくなります。
関節痛
体が冷えると血行が悪くなり、筋肉や関節も、かたく、こわばりがちになります。とくにシニア猫は、変形性関節炎を患っていることが多く、気温が下がると痛みを感じている可能性が。そのため、体を丸めてじっと動かなくなりがちです。
脱水症
室温が低いと、のどの渇きを感じにくくなるため、飲水量が減り、脱水症になることがあります。脱水が進むと、元気消失、食欲不振などの症状があらわれます。また、血流が悪くなることで、腎臓や心臓など全身にダメージを与えることがあります。
免疫力低下
体温が下がると免疫機能が落ち、過去に猫カゼにかかったことのある猫は再発することがあります。乾燥した冷気は鼻を刺激し、くしゃみや鼻水を引き起こします。このほか、目ヤニ・元気消失・食欲不振などの症状が見られます。
消化器の不調
冷えによって胃腸の動きが鈍くなったり、水分の代謝が悪くなることで、下痢や軟便になることがあります。また、自律神経が乱れ、胃腸の機能が低下することで嘔吐したり、代謝が落ちることで食欲不振になることも。
人にとっては快適な室温でも、猫には低すぎるということもあります。熱中症対策はもちろん大切ですが、冷えすぎにも注意してくださいね。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2026年7月号『夏、気を付けたいのは「暑さ」だけではありません。ねこの冷え過ぎ&隠れ脱水にご用心!』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。