白くてふわふわな毛並みと、青い瞳が特徴的な猫の風(ふう)ちゃん(7才・♂)。
元保護猫だった風ちゃんは、ふとしたきっかけから、今の飼い主さんご家族と出会うことができました。
先代猫との別れ、風ちゃんとの出会い
風ちゃんと出会う前、飼い主さんご家族のおうちには先代猫・コネちゃんがいました。
コネちゃんを18才で亡くし、飼い主さんのお母さんはショックと悲しみのあまり、ペットロスになってしまったそう。
お母さんは当時、「猫はかわいいけれど、もうあんな悲しい思いはしたくない」と、新しい猫を迎え入れる気持ちはありませんでした。
そんなお母さんはある日、「近所で猫を捨てる人がいて、たくさんの猫を保護している」という話を近所の方から聞きます。
すると、お母さんのほうから「一緒に見に行こう」と飼い主さんを誘ってきて、保護猫を一緒に見に行くことに。
「そこには10匹以上の保護猫がいました。そこで、私たちのもとに最初に近づいて来たのが、子猫の風だったんです」
風ちゃんは猫風邪で目やにがひどくて、目も半分しか開いておらず、体も弱々しかったそう。そんな風ちゃんを迷わず抱き上げ、ふたりは風ちゃんを引き取ることに決めたのでした。
元気がなかったお母さんに、笑顔が戻った
すくすくと元気に成長していった風ちゃん。愛情をたっぷりと注がれた風ちゃんは、迎え入れた当時とは見違えるほどに、毛並みも綺麗に!
そして、変化は風ちゃんだけでなくお母さんにも見られたようです。
「猫を飼うとやはり癒されますし、精神的にとてもいいです。何より、母が猫と暮らしていると生きがいになり元気でいてくれます。生活に張り合いが出て、風は元気がなかった母に笑顔をくれました」
「母と、『風は先代猫のコネからの贈り物だね』とも話しています」
風ちゃんとコネちゃんに、不思議な縁を感じている飼い主さんとお母さん。風ちゃんは、猫と暮らす楽しさや喜びを、お母さんに再び感じさせてくれたのでした。
突然、風ちゃんのもとに2匹の子猫が!
風ちゃんと過ごし始めてしばらく経った頃。
飼い主さんは知人から「保護子猫がいて、新しい飼い主を探している」という話を聞きます。
ダメもとでお母さんに相談してみると、「可哀想だから引き取ろう」という話に。
そしてやって来たのが、ルルちゃん(♀)。ルルちゃんは、知人の方の職場に捨てられていたコだったそう。
すると、なんとその1週間後……
別の場所で保護されていた、音(おと)ちゃん(♂)もおうちに迎え入れる展開に!
音ちゃんの母猫は、産後の肥立ちが悪く亡くなってしまったのだとか。残された子猫たちは、新しい飼い主さんを待っていたのです。
ルルちゃんを迎え入れて1週間後という状況でしたが、音ちゃんのかわいさに負けてしまい、迎え入れることを決めたそう。
こうして、風ちゃんのもとに保護子猫2匹がやって来て、新たな生活が始まったのでした。
徐々に縮まる3匹の関係 猫団子が見られる日も近い…!?
初めての子猫に戸惑っていたという風ちゃん。遊びたい盛りの賑やかなルルちゃん・音ちゃんに対し、マイペースで穏やかに過ごしたい風ちゃん。
出会った当初、風ちゃんは2匹とどのように接していいのか、わからない様子だったそうです。
でも今は、ゆっくりと時間をかけて、3匹は各々が程よいと感じる距離感で過ごしているよう。
「3匹が出会ってもう1年。まだ仲良くなっている途中ですが来年、再来年と月日が経ち、3匹一緒の猫団子が見られたら嬉しいですね」
そんな3匹も、ちゅ〜るを食べるときやイタズラするときは、仲よく並んでいるのだそう♪ みんな揃って猫団子をする日も、そんなに遠くないかもしれませんね。
3匹のおかげで、楽しさが3倍に♪
「1匹でも楽しく幸せでしたが、3匹のおかげで3倍、それ以上になりました。
ご飯を食べる姿、寝ている姿、遊んでいる姿、甘えてくる姿。元気に一緒に過ごしてくれるだけで、本当に満足しています」
生まれや性格、容姿も違う3匹を見守れることにも、飼い主さんは幸せを感じているそう。
最後に3匹に対する想いを聞いてみると、次のように話してくれました。
「風・ルル・音は『絶対に我が家に来て幸せだよーっ』て勝手に思っていますが、3匹が家族になってくれたことで、私たちにたくさんの幸せを運んできてくれました。
感謝しかありません。これからもずーっと一緒に楽しく暮らそうね」
風ちゃん・ルルちゃん・音ちゃん、これからもみんなで楽しい日々を過ごしていってね♪
参照/Instagram(
@fuchanane)
取材・文/雨宮カイ