飼い始めの猫飼いさんが気になる！　動物病院の選び方＆付き合い方

愛猫が健康でいられるよう、いい動物病院と上手に付き合いたいですよね。
そこで、かかりつけ医の選び方やスムーズな診察のコツなど、動物病院の気になることを、2019年4月に開院した、JVCC動物病院グループ二次動物医療センター目黒病院（JAM）のセンター長である佐藤貴紀先生にうかがいました。

Q．どんなところをチェックして、動物病院を選べばいいですか？　

A．ホームページや受診時の対応で見極めを

まずは、動物病院のホームページを見て、獣医師の数や専門分野、設備をチェックしましょう。複数人の獣医師が勤務し、医療機器が充実した動物病院は、より病気やケガの対応がスムーズで、正確な診断をしやすいといえます。また、あらかじめ獣医師の専門分野を知っておくと、受診時の参考になります。
次に、実際に動物病院へ足を運んでみましょう。愛猫の爪切りをお願いするなど、病気やケガでないときに行き、受付や獣医師の対応を見るといいですね。動物病院を選ぶ際に最も重要なのは、飼い主さんが獣医師とコミュニケーションをとりやすいこと。話しやすい雰囲気があるか、獣医師の説明が丁寧かなど、受診時の対応から今後も通いたいと思えるかどうか判断しましょう。入院施設を見学できる動物病院もあるので、受診のついでに下見しておくのもいいでしょう。また、予約制かどうかなど、サービス面の充実度を確認することも大切です。

「獣医師の専門分野をホームページで調べ、病気の症状によって複数の動物病院を使い分けてもいいですね」と佐藤先生

Q．かかりつけの動物病院は必要ですか？

A．はい。定期的に受診しましょう

心配なことがあったときにすぐ相談できるかかりつけの動物病院は、愛猫が長生きするために欠かせません。病気やケガのときに受診するだけでなく、健康診断などで定期的に利用し、病気の早期発見に努めましょう。
また、かかりつけ医では治療が難しいと判断された場合、より高い専門性をもった“二次診療”を行う動物病院を受診することも重要です。そのような動物病院と連携をとれていることが、かかりつけ医として理想です。

「愛猫の気になるしぐさなど、かかりつけ医には何でも相談してみましょう。病気の発見につながることもあります」（佐藤先生）

Q．二次診療って何をするところですか？

A．かかりつけ医では難しい検査や手術をします

かかりつけ医が、より精密な検査や治療が必要と判断し、紹介されて受診する動物病院が“二次診療”です。二次診療を行う動物病院は、より専門性や経験値の高い獣医師が勤務し、CTなど特殊な医療機器を設置しているのが特徴。大学病院もこれに含まれます。
猫の場合、腫瘍が見つかりCTの精密検査が必要と判断され、二次診療を紹介されるケースがよくみられます。検査後、そのまま二次診療の獣医師が手術することもあります。

「的確な治療をするためにも、一次診療と二次診療とでこまめに連絡をとりあい、方針を決めていきます」（佐藤先生）

Q．スムーズな診察のために、どんなことを心がけるといいですか？

A.愛猫の様子をメモや動画に残して伝えて

早期診断につながるよう、かかりつけ医に愛猫の様子をなるべく詳細に伝えましょう。異変が見られたときは、いつから、何回、何時頃、といったことをメモしておくといいですね。また、気になる行動は携帯電話などで動画に撮っておくと、診断の参考になります。
何より重要なのは、日頃から、かかりつけ医と信頼関係を築いておくこと。自己判断で投薬を中断したりせず、かかりつけ医の診断を忠実に守ることも大切です。

「ふだんの様子がわかると、診断のヒントになることも。かかりつけ医とよくコミュニケーションをとりましょう」（佐藤先生）

飼い主さんが動物病院と上手に付き合うことは、愛猫が長生きするためにできることのひとつ。通いやすい動物病院を選び、定期的に受診して愛猫の健康を維持しましょう。

おはなし：佐藤貴紀先生

獣医師。麻布大学獣医学部卒業後、西荻動物病院副院長、dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長を経て、2008年7月に白金高輪動物病院を開院。2011年4月には中央アニマルクリニック、2015年6月にはDogCareSalonLINDOをオープン。白金高輪動物病院・中央アニマルクリニックで総院長や顧問を務め、現在では二次動物医療センター目黒病院センター長ほか、JVCC株式会社取締役、JVCC動物病院グループ株式会社代表取締役の兼任も務める。