猫はどこか体調が悪いとき、眠り方にあらわれる場合があります。いつもと違うような寝方をすることもあるので、飼い主さんは気づいてあげたいですね。
この記事では、具合が悪い猫が見せる可能性のある眠り方について紹介します。
具合が悪い猫が見せる眠り方4つ
①いつも寝る場所とは違う場所で眠る
猫は、自分が暮らす部屋の中にお気に入りの寝場所をいくつか持っているものですが、体調不良による緊張感や、ほかの存在から身を隠そうとする本能的な防御行動として、下記のような行動をすることがあります。
- いつもいる場所でくつろぐことを避けて眠る
- 人の手の届きにくい高いところを選んで眠る
- いつもは潜り込まない狭い場所などを選んで眠る
これらは、体調がかなり悪かったり強いストレスを感じたときや、人間やほかの猫との接触や不快な刺激を避けて休みたいときなどにも見られます。
②しっかり身を横たえず、うずくまったままの姿勢で休む
猫は体調が悪いことなどによって素早い動きができない状況下では、何かあってもすぐに動けるように、足を地面につけたままうずくまる姿勢でじっと体を休めることがあります。これは、猫の野生の本能的な行動です。
このような眠り方は、長期間の闘病で体力を消耗しているときや、体のどこかに痛みを感じているときに見せる場合もあります。
③ お腹を隠すように丸くなって眠る
猫がお腹を隠すように丸まって眠るのは、警戒心が強いタイプのコや、寒さを感じているときなどに見せる眠り方ではありますが、体調が悪くてそのように眠っている可能性も。
猫にとってお腹は、守るべき急所です。そのため、体調不良によって警戒心が高まると、急所であるお腹を守るような姿勢で眠ることがあります。
④眠りが浅い
猫は具合が悪いときに警戒心が高まる傾向があるため、熟睡しにくくなることがあります。眠っているように見えても、わずかな物音や人の気配で目を覚ましたり、横になって体を休めていても、目を薄く開けて周囲を伺うような姿が見られます。
一方、物音や人の気配で起きてしまうことが少なかったり、呼吸がゆっくり一定で落ち着いているようであれば、眠りが深いサインといえるでしょう。
猫の眠り方を見て「具合が悪い?」と思ったら…
上記のような眠り方が見られたら、まず猫が暮らしている環境がそのコにとって快適かどうかを確認してみてください。
たとえば……
- 部屋が寒すぎたりしないか
- 猫にとってストレスになっている音や振動がないか
- ニオイなどの不快な刺激がないか
などですね。もし環境に不適切な部分が見当たらない場合、眠り方の変化は猫自身の体調不良による可能性が考えられます。
その際、元気や食欲、嘔吐、下痢など、ほかの病的な症状がないかも確認して、かかりつけの獣医師に診てもらいましょう。
「猫が体を休める=具合が悪いサイン」とは言い切れない
愛猫が1日の間で長いこと休んでいる姿を見ると、「どこか具合が悪いのだろうか?」と不安に思う飼い主さんもいるかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。
猫はもともと狩猟動物。本能的な行動として、狩りの必要がないときには無闇に動いて体力を消耗することを避けて、狩りに備えて体力を温存するために比較的多く休める時間をとる傾向があります。
そのため、日常的に猫が体を休める姿を見かけることは珍しいことではないのです。
愛猫の「いつもと違う」が、異変に気づく手がかりに
猫の体調不良のサインに気づくためには、「今までと違う行動をする」ということが手がかかりになることも少なくありません。猫が活動しているときだけでなく、体を休めたり、眠っていたりするときにも当てはまります。
愛猫の「いつもと違うな」に気づくためにも、飼い主さんが愛猫の休み方や眠り方を日頃から意識して見ておくことで大切です。そして、いつも見せない行動や変化が見られた場合は、動物病院を受診するようにしましょう。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE
『体調不良のサインかも!? 具合が悪そうな猫の眠り方とは』
文/sorami