猫と暮らす
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体調不良のサインかも!? 具合が悪そうな猫の眠り方とは
ねこのきもち獣医師相談室の先生がくわしく解説します!
【素朴な疑問】猫が体を休めているときは、どこか具合が悪いサインのこともある?
これは、狩りを行う肉食動物の本能的な行動として、狩りの必要がないときに無暗に動いて体力を消耗することを避け、狩りに備えて体力を温存しようとするため、と考えられています。
そのため、日々の生活の中で猫が体を休めている姿を見かけること自体は、それほど珍しいことではないのです。
「体を休めていること」と「眠っていること」は、必ずしも一致しないこともありますが、ここではその両方に注目し、具合が悪そうな猫が見せることがある「体の休め方」や「眠り方」について、知っていただければと思います。
具合が悪い可能性のある猫の「眠り方」「体の休め方」
① 眠りが浅い
一見すると眠っているように見えても、
- わずかな物音や人の気配で目を覚ます
- 横になって体を休めていても、目を薄く開けて周囲を伺う
② いつもと違う場所で眠る
しかし、体調不良による緊張感や、ほかの存在から身を隠そうとする本能的な防御行動として、
- いつもの場所でくつろぐことを避けて眠る
- より人の手の届きにくい高いところを選んで眠る
- いつもは潜り込まない狭い場所などを選んで眠る
また、体調がかなり悪かったり強いストレスを感じたとき、人間やほかの猫との接触や不快な刺激を避けて休みたいときなどにも、上記のような行動をとることがあります。
③ しっかり身を横たえず、うずくまったままで休む
具合の悪さによって素早い動きができないような状況のときには、何かあってもすぐに動けるように、足を地面につけたままうずくまる姿勢でじっと体を休めようとすることがあります。
このような眠り方は、長期間の闘病で体力を消耗しているときや、体のどこかに痛みを感じているときにすることも。
④ お腹を隠すように、きちんと丸くなって眠る
硬い骨などでおおわれていない場所に重要な臓器が集まっているお腹は、猫にとっては「守るべき急所」でもあります。
そのため、体調不良に伴い警戒心が高まると、急所であるお腹を守るような姿勢で眠るようになることがあるのです。
またそれ以外にも、
- 今までいびきをかかなかった愛猫が、急にいびきをかくようになる
- 寝ている際の呼吸が、いつもよりも速くなる
具合が悪そうな猫の眠り方を見たときに、飼い主さんがとるべき対応は?
具体的な例を挙げると……
- 寒すぎたりしないか
- 猫にとってストレスになっている音や振動がないか
- ニオイなどの不快な刺激がないか
環境に不適切な点がない場合は、猫自身の不調かも!
元気や食欲、嘔吐、下痢など、ほかの病的な症状がないかを合わせて確認し、必要に応じてかかりつけの獣医師に診てもらいましょう。
快適に寝ている猫の眠り方とは?
ゆったりと快適に眠っているときに、のびのびと手足や体を伸ばし、いわゆる「へそ天」の姿勢になる猫も多く見られます。
しかし、眠る際の姿勢についてはそれぞれの猫によって個性があるため、一概に「どの姿勢になっているから快適に感じている」とは言えません。
眠りが深い猫の寝方
ただ姿勢に関わらず、快適に寝ている猫に共通していることは、眠りが比較的深い傾向にあるということ。
下記のようなことに当てはまれば、快適に寝ているサインといえるかもしれません。
- 物音や人の気配で起きてしまうことが少ない
- 呼吸がゆっくり一定で落ち着いている
「今までと違う行動をする」ことが、体調不調のサインのひとつに
これは、猫が起きて活動しているときだけでなく、体を休めたり、眠っていたりするときにも当てはまります。
日ごろから愛猫の休み方や眠り方を意識して見ておくことで、いざというときに、体調不良などの異変にも気付いてあげやすくなるでしょう。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/雨宮カイ
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