猫が“優しさ”に見える行動をする理由！一生懸命毛布を引っ張る猫と待つ猫の関係性を聞いてみた

寝ている兄猫を発見し、毛布を口にくわえる猫。

くつろぐちゃーくんと毛布を口にくわえるこもくん — くつろぐちゃーくん（写真手前）と毛布を口にくわえるこもくん（写真奥）

写真は、X（旧Twitter）ユーザー＠KomoChiboさんの愛猫・こもくんがちゃーくんに毛布をかけてあげる動画の一場面です。ちゃーくんがこの場所で寝ていたところ、こもくんがやって来て毛布を引っ張り始めたのだとか。じつはこもくんには脳障害があり、目が見えないといいます。

「がんばれ、こもくん」応援したくなる優しい姿

毛布をかけるこもくんとおとなしく受け入れるちゃーくん — 毛布をかけるこもくん（写真奥）とおとなしく受け入れるちゃーくん（写真手前）

動画には、こもくんが毛布を口にくわえて「よいしょ、よいしょ」と引っ張る姿が映っていました。しかし、なかなか毛布が動きません。
それでもこもくんは一生懸命に毛布を引っ張り続け、ちゃーくんはその場を退かずに待っていたのです。

一生懸命に踏ん張って倒れそうな角度になるこもくんと見守るちゃーくん — 一生懸命に踏ん張って倒れそうな角度になるこもくん（写真奥）と見守るちゃーくん（写真手前）

飼い主さんがこの様子をSNSに投稿すると、フォロワーからは「めっちゃいいコ。偉い」「こもちゃん、マッチョ～。お布団をかけられているちゃーちゃんも、なんかやさしい」「こもちゃん足ぴーん。親びん愛がけな気ね」という反応が。お互いを思いやるこもくんとちゃーくんの姿に、約4.2万件の「いいね」が集まりました（2025年3月3日時点）。

「やってる、やってる」こもくんの行動の理由

カメラを見つめるちゃーくんと後ろで振り向くこもくん — カメラを見つめるちゃーくん（写真手前）と後ろで振り向くこもくん（写真奥）

こもくんの優しい行動について、飼い主さんにお話を伺いました。

飼い主さん：
「ちゃーに毛布をかけるこもの姿を見たときは、『やってる、やってる（笑）』と思いました。この行動をした理由については、たぶん、毛布をもって行きたかっただけだと思います」

気になる、動画の続き

ちゃーくんの背中を見つめるこもくん — ちゃーくん（写真左）の背中を見つめるこもくん（写真右）

そして毛布が口から離れたあとの様子についても、飼い主さんはしっかり見守っていたようです。

飼い主さん：
「口から毛布が離れてしまったので、こもは毛布を探していました。ちゃーは、あのまま寝ていました」

うちも親方に掛けてあげる優しい弟子いる🤦‍♂♥ https://t.co/7azbJC8Nz2 pic.twitter.com/WFH5u84rTC
— ちぼ (@KomoChibo) February 16, 2025

【獣医師取材】猫が優しさを見せるような行動をする理由

猫パンチをするちゃーくんとパンチを顔で受けるこもくん — 猫パンチをするちゃーくん（写真手前）とパンチを顔で受けるこもくん（写真奥）

毛布をめぐる2匹の行動に優しさを感じますが、実際に猫が優しさを見せるような行動をすることがあるのでしょうか。ここからは、ねこのきもち獣医師相談室の山口みき先生にお話を伺います。

――目の見えないこもくんが、ちゃーくんに毛布を掛けてあげるような行動を見せました。この行動には、どのような理由があると考えられますか。

山口先生：
「お世話をしたいという気持ちがあるのだと思います」

――また、ちゃーくんは目の前で一生懸命に毛布を引っ張るこもくんのことを怒らずに待っていたそうです。ちゃーくんは、どのような気持ちや理由でこの場にいたと思いますか。

山口先生：
「お世話されることを許容しているのですね」

仲よく並ぶこもくんとちゃーくん — 仲よく並ぶこもくん（写真左）とちゃーくん（写真右）

――この行動から、こもくんとちゃーくんはどのような関係だと考えられますか。

山口先生：
「こもくんはちゃーくんに対して母性を抱いており、お世話をする対象と認識していると思います。たとえるなら親子でしょうか。ちゃーくんもそれを受け入れているので、2匹の相性は非常にいいのでしょう。ほほえましいですね」

本当の親子ではないけれども、親子のような絆で結ばれたちゃーくんとこもくん。これから先も仲むつまじく過ごしていくことでしょう。