猫と暮らす
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要求に応えるも「そうじゃにゃい!」 飼い主が困惑した猫の複雑な行動4選
愛猫のことを理解している飼い主さんであっても、こんな経験をしたことがないですか?
「愛猫が○○したから、○○してほしいのかと思ったら…あれ? カンチガイ?」
ごはんが欲しいのかと思ったらそうじゃなかった…撫でてほしそうにしていたけど違った…など、愛猫の要求の意味がわからなくて困惑した飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、実際に飼い主さんたちから寄せられた猫の要求にまつわる「カンチガイエピソード」を紹介。猫の本当の要求はなんだったのか…動物看護師の小野寺 温先生の解説を参考にしてみてください♪
case1:「なでなで」じゃないの!?

近くに来てゴロンと仰向けになり、お腹を見せてアピールするのに…
「私が帰宅すると、ふぅがすぐ近くまで来てゴロンとお腹を見せ、体をくねらせながらこちらをチラチラ見ます。お腹を撫でてほしいのだろうと思うのですが、撫でようとすると立ち上がって去っていきます。そして、少し離れてこちらを見つめ……。どうしてほしいの?」
(愛知県 Tさん/ふぅくん オス・4才)
【解説】お腹を見せるのは、「かまって」アピールです!

「お腹を見せるのは、人からすると『お腹を撫でて』という意味に思えます。しかし、猫の場合、子猫同士で遊ぶ際にとるポーズの名残で、『かまって』『こっち見て』とアピールしている可能性が高いです。
お腹を撫でようとしたときに立ち去って離れて見ているのは、『違う、惜しい!』と思っていたりするのかも。声をかけたり、おもちゃで遊んであげたりすると、満足すると思いますよ!」(小野寺先生)
case2:「抱っこ」じゃないの!?

猫タワーの上の段から、「抱っこして」というように前足を伸ばしてくるのに…
「うにが猫タワーの上の段に居るとき、そばに行くと甘えるような表情で前足を伸ばしてきます。抱っこで下ろしてほしいのかと思い、抱っこをすると、すぐにニャーニャー鳴きながら肩の上に移動してしまいます。どうしてほしいの? とナゾです」
(東京都 K・Yさん/うにくん オス・2才 ロシアンブルー)
【解説】猫タワーの上の段でかまってほしいのかも!
「猫タワーの上の段は、猫にとってとても居心地のいい場所のはずなので、うにくんが飼い主さんに向けて前足を伸ばすのは『抱っこ』という意思表示ではない可能性が高いでしょう。
その居心地のいい場所に居ながら、大好きな飼い主さんにかまってほしいとアピールしているのかもしれません。抱っこしようとせず、そのまま声をかけたり、撫でたりして、うにくんの様子を観察してみて!」(小野寺先生)
case3:「ごはん」じゃないの!?

料理をしていると、鳴きながら肩に飛び乗ってアピール。お腹が空いているのかと思いきや…
「私が帰宅してキッチンで料理をしていると、蓮児がおねだりするように鳴きながら肩に飛び乗ってきてアピールします。お腹が空いているのだろうと思い、フードを用意するのですが、食べずにまた私の肩に飛び乗ります。どうしてほしいのでしょうか?」
(栃木県 Iさん/蓮児くん オス・3才 アメリカンショートヘア)
【解説】帰宅まで1匹で過ごしているのなら、遊んでほしいのかも!
「料理中にこのような強いアピールをされると、『ごはんかな?』と思いますよね。でも、要求はさまざま! ごはんを用意しても食べないのなら、蓮児くんは飼い主さんの帰宅でアクティブモードになり、『遊んで』とアピールしているのかも。
料理の前に5分程度でいいので、おもちゃで遊んでみて。時間がないなら、知育おもちゃ(フードが出てくるもの)を与えて1匹遊びをさせてもいいでしょう」(小野寺先生)
case4:「おもちゃ」じゃないの!?

おもちゃが入っている扉の前で鳴くので、おもちゃを取りたいのかと思い、開けてみるも…
「私がソファでくつろいでいると、いろはが同じ部屋にあるおもちゃの収納庫の前でニャーニャー鳴きます。てっきり、中のおもちゃを取りたいのだろうと思い扉を開けるのですが、まったくおもちゃに触ろうとしないことがよくあります。不思議です」
(北海道 Kさん/いろはちゃん メス・2才)
【解説】扉を開けてもらうことで満足しているのかも!
「おもちゃで1匹遊びがしたいわけではなさそうですね。気持ちは3通り考えられます。
①飼い主さんといっしょにおもちゃで遊びたい、②この行動をすれば飼い主さんが反応してくれると知っている(開けてもらえれば満足)、③ふだんは閉まっている扉の中の様子をチェックしたい。
一度、いっしょに遊ぼうと誘ってみて。のってこなければ、扉が開くだけで満足なのだと思います」(小野寺先生)
猫の要求の意味がわからないときの対処法は?

今回紹介した体験談のように、愛猫の要求の理由をカンチガイしてしまう飼い主さんもいるでしょう。
猫がなにかを要求しているときに、まずは「撫でてほしいのかな?」「ごはんが食べたいのかな?」と考える飼い主さんが多いのではないかと思いますが、ほかにいくつ選択肢が浮かぶでしょうか?
じつは、飼い主さんが思っているよりも、猫の要求はかなりバリエーションが豊富なのです。同じ要求であったとしても、それにいろいろな条件がつくことも。
「なでなで」「ごはん」と思える行動でも、じつは…
たとえば、愛猫の行動を見たときに、「撫でてほしいんだ」「ごはんが欲しいんだ」と思えるよな行動だとしても、本当はこんなふうに思っているかも。
「なでなで」だった場合でも、じつは…
猫の要求が「なでなで」だったとしても、じつはこんな条件があるのかも。
など、いろんなバリエーションが想定できます。猫の要求の内容は、飼い主さんが想定するよりもずっと複雑なのです!

「愛猫だったらどんな要求をしている可能性があるかな?」といろんな選択肢を考えて応えてあげると、答えが見つかるかもしれません。飼い主さんは、日頃から愛猫のことをよく観察してみてくださいね!
参考/「ねこのきもち」2020年4月号『要求に応えたつもりが「そうじゃにゃい!」…\あれ? カンチガイかも?/猫は何を望んでる?』(監修:帝京科学大学講師、動物看護師 小野寺 温先生)
イラスト/吉沢深雪
※一部の写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と一部の写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
文/sorami
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