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10年で猫の路上死半減 ねりまねこの地域猫活動と「コロナ禍と保護猫」

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約10年前、東京都練馬区は地域猫活動に賛同するボランティアを公募。このときのボランティア活動が起点となって生まれたのがNPO法人「ねりまねこ」です。代表の亀山知弘さん、嘉代さん夫妻が活動を始めたきっかけは、1匹のノラ猫をかわいそうに思いフードを与え続けた結果、その猫が子猫を産んだこと。不幸な猫を増やさないよう、行政と手をとりながら、住民に働きかけ、地域猫の普及に取り組む姿をリポートします。

※記事内容はすべて、2021年4月10日現在のものです。

地域猫活動浸透に10年 ノラ猫の数も半減

ねりまねこの活動の基本はTNRです。それは、T(Trap)=ノラ猫を捕獲し、N(Neuter)=不妊手術し、R(Return)=元の場所に戻すこと。ノラ猫対策において不妊手術は「蛇口を閉める活動」で、保護・譲渡は「あふれた水をバケツでくむ活動」にたとえられますが、蛇口が開きっぱなしでは、いくら水をすくっても永遠に終わりません。「飼い主のいない猫はまず繁殖抑制を優先」が活動方針です。

写真提供/NPO法人ねりまねこ
ノラ猫の繁殖は待ったなしなので、コロナ禍でも感染対策をしっかりしつつTNR活動は続けられています

練馬区は、東京23区の中でもノラ猫が多い地域でした。ノラ猫の不妊手術助成金などの制度が練馬区にできたのは都内では後発で2009年。当時、地域猫活動の認知度はまだまだ低かったそうです。そこで少しでも活動の理解を広げるためブログを開始し、タイトルも検索にかかりやすいようシンプルに『ねりまねこ・地域猫』に。その結果、最盛期には1日に5万アクセスもされる人気ブログとなり、取材、講演、セミナーの依頼もくるように。活動の甲斐あって区の猫の路上死数は半減し、ノラ猫自体の数も半減したと推測されるそうです。
「最初は苦労しましたが、10年続けた成果に、達成感ややりがいを感じています」と知弘さん。ブログを担当する嘉代さんも「私のささやかなブログを通じて、ノラ猫への見方を変えたり、ボランティア活動を始めたりした話を聞くととてもうれしい」と目を細めます。

最新の学問に基づいた保護と譲渡を行う

団体では、TNR活動と並行して、譲渡可能な猫(子猫や人になれた猫)は保護し、譲渡もしています。亀山さんは、「シェルター・メディスン(伴侶動物の群管理)」という学問に基づき、できるだけ多くの猫を効率的かつ健全に管理し、適正に譲渡しています。
保護・譲渡は、外の猫を減らす早道なので、地域の理解も得やすく、寄付や支援、情報提供や保護協力が増えるといいます。ただし、保護・譲渡ばかりだと地域猫への理解や地域住民の問題解決能力が上がらないというジレンマを孕んでいます。また、これからの社会では、高齢化・貧困化・孤立化などに起因する、さまざまな事情による飼育放棄の増加が懸念されています。

写真提供/NPO法人ねりまねこ
保護されたばかりの、乳飲み子猫たち

「今後、コロナによる経済悪化に伴う飼育放棄は起こり得ると思います。ただ現在は、ステイホーム需要で猫を飼育したいという人が増えているように感じます。保護・譲渡数は、一昨年度81匹から大幅に増えて昨年度は144匹にもなりました」と亀山さん夫妻は語ります。「ノラ猫とどう向き合うか、社会全体で戦略的な対策が求められている」と感じる亀山さん夫妻。ひとつの街で、いかに人と猫がうまく共生していけるか。ねりまねこの活動はこれからも続きます。

出展/「ねこのきもち」2021年6月号『ねこのために何ができるだろうか』
文/ハナマサ
※この記事で使用している画像は2021年6月号『ねこのために何ができるだろうか』に掲載しているものです。

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