ほかの猫に会ったときや動物病院に連れて行ったときに、愛猫がいつもと違うしぐさをする。それはもしかしたら、猫からの「怖い」というサインかもしれません。今回は、顔や体のパーツの動きに表れる、猫が怖がっているときに見せるしぐさをご紹介します。
耳に表れる「怖い」ときのしぐさ
平常心のとき:力が入らずまっすぐ立つ
気持ちが穏やかで何も考えていないときの猫の耳は、筋肉の力が抜けて、まっすぐ立っているだけになります。近距離を移動するときや、無心で座っているときなどに見られる状態です。
恐怖を感じているとき:ペタッと伏せる
怯えて恐怖を感じているときは、全身に力が入って体が縮こまり、耳をペタッと平たく伏せます。苦手な音が聞こえたときや、「負けそう」と弱気になったときによく見られます。
しっぽに表れる「怖い」ときのしぐさ
平常心のとき:水平かやや下方に伸びる
平常心のときは力が入っていないため、しっぽは水平かやや下方に伸びています。座っているときは、床に伸びた状態になります。
恐怖・緊張しているとき:体に巻き込む・寄せる
恐怖や緊張を感じているときは、しっぽを体に巻き込んだり寄せたりするしぐさが見られます。これは肛門まわりにふたをしてニオイを消し、敵から身を守る役割があります。動物病院の診察台にのったときや、抱っこされたときなどによく見られるしぐさです。
緊張が高まっているとき:大きく膨らむ
驚いて緊張が高まっているときは、全身に力が入って、しっぽを大きく膨らませます。これは体を大きく見せることで、相手に対する威嚇や「怖いけど負けないぞ!」という意思表示の意味合いがあるそう。気持ちや緊張の度合いが強いほど、しっぽの膨らみもより大きくなります。
ヒゲに表れる「怖い」ときのしぐさ
平常心のとき:自然に垂れる
ヒゲは被毛の2倍の太さがあるため、そのぶん重みがあります。平常心のときなど口元にまったく力が入っていないときは、重力に任せて自然と垂れ下がります。
恐怖・緊張しているとき:ピタッとほほに沿う
ほかの猫に攻撃されそうなときや、自分から攻撃するときなどは口元に力が入るため、ヒゲは張ってほほに沿うように反ります。「やめて」「来ないで」という気持ちの表れでもあるので、人に対してする場合はそっとしておいてあげましょう。
体勢の変化に表れる「怖い」ときのしぐさ
リラックスしているとき:無理な力が入らずゆったりしている
リラックスしているときは、伸びすぎたり縮みすぎたりなど体に無理な力が入らず、ゆったりとした体勢になります。足を放り出した状態で、体を倒していることもあります。
弱気になっているとき:背中を山なりにして逃げ腰になる
自分よりも強い相手が近づいてきて弱気になっているときは、背中を山なりにして後ずさる様子が見られます。足を浮かせて、いつでも逃げられる体勢を取ることが多いようです。
猫が怖いと感じているときのしぐさがわかれば、怖いと感じている要因を排除できたり、無理にかまって余計なストレスを与えずに済んだりするのではないでしょうか。日ごろから愛猫の様子を観察して、愛猫の気持ちをくみ取ってあげましょう。
参考/「ねこのきもち」2018年9月号『キホンからカンチガイしやすいものまで パーツでわかるねこのきもち』(監修:帝京科学大学助教 動物看護師 小野寺温先生)
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。