猫は気まぐれで甘え上手、そのうえ運動神経も抜群の完璧な動物と思われていますが、そんなイメージにそぐわない惜しい一面も持っています。聞くと「えっ、そうだったの?」と驚いてしまいそうな、なんともざんねんな猫の生態を3つ紹介します。そんなざんねんな姿さえ、愛おしく感じるかもしれません。
猫なで声は野太い
「猫なで声」と聞くと、高くて柔らかい、甘えるような声を想像する人が多いのではないでしょうか。実際に、語源の通り猫をなでると、飼い主さんに甘えてそんな声で鳴く猫もいるでしょう。
しかし、猫界で使われる猫なで声は異性に対する媚びた声を指し、低くて奥行きのある声をしています。発情期にメスがオスへアピールする鳴き声は特徴的。まるでオットセイが鳴いているような声をしているので、決してかわいいと言えない声色をしています。
長距離走は苦手
猫は俊敏な走りをするイメージがありますが、どんな距離でも走るのが速い訳ではありません。猫は瞬発力が抜群なので、短距離に限っていえば得意です。ただ、出し入れできる足の爪が走りには向いていないので、動物界で長距離走をしたら、爪をスパイクのように使って地面を蹴りながら走る犬などの速度にはかなわないでしょう。
そもそも猫は集中力が続かない動物なので、長距離走に参加しても、最後まで完走できない可能性があります。
スフィンクスは超寒がり
猫はもともと暑い半砂漠地帯で暮らしていたため、全体的に寒さに弱い傾向があります。スフィンクスは被毛がない分、ほかの猫に比べて皮下脂肪や皮脂が多く分泌されていますが、それらの保温効果は程度が限られています。モコモコの被毛がもつ保温効果には所詮かなわないので、スフィンクスは見た目通り超寒がりなのです。
動物は進化の過程で自分に優位な特性を身に付けると思われていますが、中には見た目通りの機能しか備わっていないことも。完璧に見える猫だって、惜しい部分を持ち合わせているのです。
そんなギャップを知ると、ますます猫が愛おしく思えてきますね。
参考/「ねこのきもち」2017年12月号『どうしてそうなった!?不思議だけど愛おしいざんねんな猫の生態』(監修:哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。