猫が好き
UP DATE
必ずしもうまくいくとは限らない!?「2匹目の猫」を迎え入れる際に飼い主が知っておくべきこと
【調査】2匹目の猫の迎え入れを考えている飼い主さんは、どれくらいいるの?
2匹目の迎え入れで心配事がある飼い主さんも
- 「先住猫との相性。喧嘩せず仲良く遊んでくれるか心配」
- 「べったりな甘えん坊なので、2匹目とうまくやっていけるか相性が心配です」
- 「ご縁があればぐらいに考えてる程度ですが、もし迎えることになったときにずっとひとりで女王様状態だったので、ストレスになるんじゃないかとかが不安です」
- 「やはり猫同士の相性が心配。現在ワンルームのアパートなので、もし何かあった場合に2匹別々に過ごせるよう、2部屋以上ある物件への引越しも含めて検討中」
- 「先住猫とうまくやっていけるか、年間でかかる費用面の不安、居住スペースの広さの問題でストレスを抱えないか、万が一先住猫と相性が悪かった場合にどうしたら乗り越えられるかなど、不安のほうが大きい」
- 「相性が悪かった場合の対応。部屋を分けるなどの対応が取れるほど家が広くないので、躊躇ってしまっています」
- 「現在は1匹の猫に家族の全愛情と注意が注がれていますが、2匹になった場合にも同じようにできるかどうか…」
【解説】考えたい! 猫の複数飼いのQOL
同居猫の存在はプラスにもマイナスにもなる
ただ、猫は自分の縄張りを大切にする動物なので、限られた空間の中で複数匹を生活させる際、うまくいくとは限らないことを飼い主さんは肝に銘じましょう。
「QOL」という言葉をご存知でしょうか。これはQuality Of Lifeの略で「生活の質」という意味です。どれだけ人間らしい生活を送れているかの満足度を表す指標で、最近は動物でも注目されています。
猫の場合、心身ともに健康な状態か、快適な生活環境か、飼い主さんや同居猫といい関係が築けているかが、QOLを向上させるポイントだといえるでしょう。
飼い主さんが思う、複数飼いの猫のQOLプラス&マイナス
プラス
- 猫だけの留守番もさみしくなさそう
- 相手の存在がいい刺激になる
- 毛づくろいなど猫同士ならではの付き合いができる
- 追いかけっこなど運動量が増える など
マイナス
- 弱い猫がちょっかいを出されてかわいそう
- 生活のペースが合わない
- 好きな場所を取り合っていさかいを起こす
- 飼い主の取り合いになる など
先住猫のQOLを低下させないために 2匹目を迎える前に知っておきたい3つのこと
①愛猫が複数飼いに向くか傾向をチェックする
愛猫の年齢や性格、これまでの環境によって、ある程度は推測できます。
複数飼いの適性チェック!
②猫同士の性別・年齢別、相性のよしあしの傾向を知る
性別の傾向は?
未去勢だと、縄張り争いから対立しがち。ただ、去勢後は穏やかな性格になる傾向にあり、よき遊び相手として仲良くなるケースが多く、ベストな組み合わせでしょう。
気の強い性格同士だと、ライバル関係になることが。先住猫が優しい性格であれば、去勢ずみのオス同士の次に仲良くなりやすい組み合わせでしょう。
繁殖以外ではメスはオスを必要としないので、オスを避けるパターンが多いよう。とくにメスが神経質な性格だと、オスを拒否するケースが多いでしょう。
年齢の傾向は?
2匹目を迎えることを考えているなら、先住猫が若いうちがおすすめ。新しい猫も幼いほうが一緒に遊んだりして、仲良くなる可能性は高いでしょう。
高齢になると縄張り意識が強くなるため、新しい猫を受け入れにくくなります。ただ、新しい猫が子猫だと、性別に関係なく母性のようなものが芽生え、うまくいくケースも。
性格が合えば、スムーズにいくことも。しかし、一般的に年齢が上がるとともに、うまくいく確率は低くなります。
③対面は時間をかけて慎重に行う
「対面~フリー」は正しいステップを踏み、1~2週間かけて慎重に行いましょう。
猫が環境になれるまでに3日ほどかかるため、最初は2匹を別々の部屋で生活させましょう。この間に、動物病院で感染症の有無の確認、ワクチン接種を済ませます。
2匹が落ち着いていたら、新しい猫をケージ(もしくはキャリーケース)の中に入れて、ケージ越しに対面を。先住猫が嫌がって逃げたら、無理強いしないようにしましょう。
どちらも威嚇しなくなったら、飼い主さん立ち会いのもと、部屋の中で2匹をフリーにしてみましょう。どちらかが威嚇したら新入り猫をケージに戻し、少しずつ同室で過ごす時間を増やしてみてください。
複数飼いを成功させるために、飼い主さんが心得ておきたい4つのこと
①飼い主さん主導の遊び時間を猫ごとに設けよう
②ケンカになりそうなときは、すぐに引き離そう
もしケンカが始まってしまったら、飼い主さんが手を出すのは危険です。2匹の間にクッションを投げるなどして、遮断しましょう。
③室内のあちこちに居場所をつくろう
ポイントは、1匹の猫が休める程度の大きさで、高さの違う居場所を家のあちこちに配置してあげることです。
④猫トイレの数は多く静かな場所に設置しよう
理想のトイレ環境としては…
- トイレの数は匹数+1個を準備する
- 猫それぞれの好みのトイレ砂を用意する
- 人や同居猫があまり通らない静かな場所にトイレを置く
猫同士の相性が悪かったら、同じ空間での生活をあきらめる決断も必要に
そのようなときは、同じ空間で生活させるのはあきらめて、完全に生活スペースを分けて“家庭内別居”をさせるように検討しましょう。その際、2匹が鉢合わせしないように部屋のドアを閉めて、別々の部屋で生活させます。
どちらかの猫に下記のような様子が見られたら、家庭内別居を検討する必要があるでしょう。
- 対面すると攻撃する、威嚇する
- 食事ができない
- 排泄を我慢する
- 毛をなめ過ぎて脱毛する
猫のQOLを考えたときには、ほかの家族のもとで安心して暮らせるほうが幸せなケースもあります。
まずは、愛猫が複数飼いに向くタイプなのかどうかを、飼い主さんはよく考えてあげましょう。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(ペット問題行動クリニックBLISS)
参考/「ねこのきもち」2019年12月号『考えたい! 複数飼いのQOL』
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
文/sorami
UP DATE