可愛いけれど心配なことも？　猫が『飼い主を探すとき』に見せる行動３選

愛猫が飼い主さんのことを家の中で探していることはありませんか？　その姿が可愛くて、嬉しい気持ちになる飼い主さんも多いことでしょう。

今回は、「猫が飼い主さんを探す心理」や「探しているときに見せる特徴的な行動の例」についてねこのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生が解説します。また、飼い主さんのことを探す猫のなかには、注意が必要なケースも……あわせて確認しましょう。

猫が飼い主さんのことを探す心理

猫の性格については、よく「気まぐれ」といわれますよね。自分のペースで気ままに暮らしていると思うかもしれませんが、そんな猫も飼い主さんを頼って探していることがあります。

たとえば、「お腹が空いたからごはんが食べたい」「トイレが汚いからキレイにしてほしい」「飼い主さんに甘えたい」「遊んでほしい」などの要求があって、飼い主さんを探します。

飼い主さんを探す猫が見せる3つの行動

飼い主さんを探しているときの猫の行動は、ふだんの行動とは少し違った様子を見せます。特徴的なものは、次のような行動ですね。

①低めの声で長めに、何度も鳴く

まずは、鳴くことで飼い主さんを呼びますが、その鳴き方が特徴的です。猫は獲物を見つけたときには高く、短い声で鳴くのですが、飼い主さんのことを探すときは低めの声で長く鳴くことが多く、それを繰り返します。

飼い主さんを見つけたあとも、そのままなにかを要求するように鳴きながら、後ろからついてまわることも。

②玄関やお風呂場の前で座り込む

玄関の前で座り込むという行動を見せることもあります。「飼い主さんが帰宅するまで動かない！」というかのように、その場所から動かず、そのまま寝てしまうことも。きっと猫は、玄関から飼い主さんが出ていくのを理解していて、そこにいたら飼い主さんに会えると思っているのでしょうね。

また、お風呂場の前で出待ちする猫も多いですが、これは飼い主さんに「かまってほしい」という気持ちの表れでしょう。飼い主さんがふだん忙しくて、留守番の時間が長かったりする場合、「お風呂場だったら飼い主さんはあまり動かないから、自分に注目してくれるかも」と考えているのかもしれません。

③ふだんはしないような行動をする

上記のような行動のほかにも、ふだんはしないような行動をする猫もいます。たとえば、そわそわしていつも行かないようなところを探索したり、隙間に入ったり、まるでなにかを探しているかように動き回ることも。

このように、猫がいつもと違う行動をしていたら、飼い主さんに対する「要求のサイン」といえるかもしれません。

飼い主さんのことを探す猫の傾向

どんな猫が飼い主さんのことを探す傾向にあるかについては、そのコの性格や人懐っこさなども関係があります。たとえば、人とたくさん触れ合って育ってきた猫のほうが、飼い主さんへの依存度が高く、よく探すような行動をするかもしれません。

また、猫種の特徴でいえば、一般的に長毛の猫のほうがおっとりしていて、人懐っこく、人への依存度が高いといわれています。

飼い主さんと離れて不安に感じる「分離不安症」の場合もあるので注意！

飼い主さんのことを探す猫のなかには、飼い主さんと離れることに不安を感じる「分離不安症」のコもいるでしょう。猫が1匹でいる時間が長いことに強い不安を感じると、分離不安症を引き起こし、問題行動などに発展してしまうこともあるのです。

猫が強い不安を感じる原因には、以下のようなことが考えられます。

突然環境が変わって、お留守番の時間が長くなった
飼い主さんがほとんど愛猫をかまってあげられない、遊んであげられなくなった
新しく猫を迎え入れた
猫にとって何か怖いことがあった

もし愛猫が、過剰な不安を感じていて明らかに様子がおかしい場合は、動物病院や行動学を専門とした獣医師に相談してみるといいでしょう。