どこかから声が聞こえると思ったら、そこには小さな子猫が——。
「助ける以外の選択肢はありませんでした」と話すのは、Twitterユーザー
@vvviopwさん。
子猫との突然の出会いは、9月の初旬。まだ真夏のように暑い日の朝のことでした。通勤途中に子猫の鳴き声が聞こえ辺りを探してみると、側溝に子猫がいたのだそうです。
周囲を見渡しても母猫やきょうだい猫はおらず、ひとりぼっちでいた子猫。体が濡れていたために、保護することを決めたのでした。
「もしものとき」のために持ち歩いていた「ちゅ〜る」が大活躍
猫は飼っているものの、子猫の保護は初めての経験。飼い主さんはもしものときのために、いつも「ちゅ〜る」を持ち歩いていたそうなのですが、これが役に立ったのでした。猫パンチと水しぶきを浴びてしまったものの、意外にもあっさり保護できたといいます。
子猫は「すず」と名付けられ、飼い主さんの家のコとなったのでした。
保護してからは、先住猫たちとの隔離生活が
飼い主さんの家には2匹の先住猫がいるため、すずちゃんとの隔離生活が始まりました。飼い主さんがいま振り返っても、最初の隔離生活が大変だったといいます。
飼い主さん:
「血液検査は1カ月後にとのことで、諸々の検査が済むまでは先住の金太と蒼太に会わせるのはリスクがあり、別室での生活はとても気を遣いました。
隔離期間は全面的に娘がすずのお世話をしてくれたので、私はごはんを持って行くだけの対応で、できるだけ金太と蒼太との時間を優先して過ごしていました」
側溝に落ちて体が濡れていたすずちゃん。体調が心配されましたが、動物病院では比較的健康な女のコだといわれたのだそう。
飼い主さんの家で体をきれいにしてもらい、ごはんもしっかり食べると、日に日に成長の様子が見られるようになりました。
飼い主さん:
「見た目の違いになりますが、毛並みが本当に変わりました。保護した当初はチクチクゴワゴワ硬くて、ザラザラした印象でしたが、食べるものが栄養価の高いフードになったからか、みるみる毛並みが良くなりました。
たぶん若さもあるでしょうが、いまは3匹の中で一番ツヤツヤです!」
すずちゃんはどんなコ? 先住猫たちとの関係は?
すずちゃんの性格は、「Theミケ猫」とのこと。飼い主さんはミケ猫を飼っている先輩方から「ミケ猫は気が強い。女王様」と聞いていたそうですが、すずちゃんもまさにそのタイプなのだそうです。
気になる先住猫たちとの対面ですが、隔離期間を経て少しずつ距離を縮めていったのだとか。隔離期間中は、先住猫たちの写真がプリントされたクッションで対面の予行練習もしていたそうです。
飼い主さん:
「金太8才、蒼太6才。元々の性格もおとなしいコなので、子猫とのテンションの違いにまだ戸惑うことも多いようです。ただ、お互いの存在には慣れて、いまでは一緒に寝たりグルーミングもしていますので、関係はうまくいってると思います。
が! すずちゃんの突然のハイテンションに、時々彼らの悲鳴が…」
保護してからの隔離期間中は、すずちゃんの「噛み癖」に悩まされたという飼い主さん。しかし、先住猫たちと一緒の空間で生活し始めて遊ぶようになってから、すずちゃんの噛み癖に変化が見られるように。
金太くんと蒼太くんにいろいろと教育をしてもらったのか、次第に改善していったようです。
すずちゃんを保護して2カ月経った姿は…
突然の出会い、保護から2カ月が経過したすずちゃんの姿がこちら。保護当時は500gだった体重は、2カ月後には4倍にまで増えたのだとか。
保護したばかりの頃に、すずちゃんとペットボトルを並べて写真を撮っていた飼い主さん。同じように隣にペットボトルを置いた写真を比較してみると、その成長ぶりは一目瞭然!
現在もすくすくと成長している様子がうかがえます。
冷たい側溝の中で怖い思いをしていたであろう、すずちゃん。猫愛あふれる飼い主さんに見つけてもらい、いまでは優しいお兄ちゃん猫たちと一緒に、あたたかい居場所で暮らしています。
すずちゃんとの出会いについて、SNSのフォロワーから「神様の落とし物」と素敵な言葉をもらったという飼い主さんは、「神様にお返しするときまで、大切に預かり育てたいと思います」と話していました。
写真提供・取材協力/Twitter(
@vvviopwさん)、Instagram(
@vvviopwさん)
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文/凛香