猫の体のパーツで変化が目立ちやすいのが“耳”です。五感の中で最も優れていることもあり、最初に耳で情報をキャッチしています。さらに耳の根元には27もの筋肉があって約180度動かせるため、さまざまな気持ちがあらわれやすい場所です。
そこで今回は動物看護師の小野寺温先生に、猫の耳にあらわれる気持ちについてお話をうかがいました。
恐怖を感じているとき
猫が恐怖を感じているときは、全身に力が入り耳が平たくなります。強い相手に睨まれて「負けそうだ」と弱気になったり、嫌いな音が聞こえたりしたときに見られるしぐさです。
怒ったり拒否したりするとき
猫の耳に力が入って後ろへ反るのは、怒りや拒否の気持ちのあらわれです。「攻撃するぞ!」という強気のアピールや「近づかないで!」という意味もあり、気持ちが強いほど反る角度が大きくなります。
興味を示したり緊張したりするとき
少し緊張していたり、見慣れないものや獲物らしきものに対して興味を示したりしたときには、耳がピンと立って音の方に向きます。
耳だけでなく目も向けて、詳しい情報を得ようとしていて、その気持ちが強いほど耳の先端に生えている「房毛(ふさげ)」が立ちます。
リサーチしているとき
何かが聞こえて「ちょっと気になる」という程度の興味だと、耳だけを音のする方へ動かします。動くパラボラアンテナのようにして、音に集中しようとしているのです。
リラックスしているとき
リラックスしながら過ごしているときや、まどろんでいるときなどは、耳を少しだけ外へ向ける場合があります。不機嫌なときにも耳を外側へ向けますが、リラックス状態の場合は頭が下がり気味、目も閉じ気味です。
猫の耳は、感情によってさまざまな動きを見せるようです。その意味を知っていると、愛猫とのコミュニケーションに役立つかもしれません。ぜひ参考にしてみてください!
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学助教 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2018年9月号『キホンからカンチガイしやすいものまで パーツでわかるねこのきもち』
文/江村若奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。