猫が好き
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出産を繰り返しガリガリに痩せた猫 親子で保護され1年後に遂げたビフォアフターに感動
まん丸おめめで、甘えるようにこちらを見つめる姿は幸せそのもの。一体、この親子猫はどのようないきさつを経て保護されたのでしょうか?当時の状況や現在の様子について、飼い主の@qyMND6RdGPYL9T9さんに詳しいお話を伺いました。
妊娠出産を繰り返し疲弊した母猫 1年の月日を経て子猫とともに保護
飼い主さんが、母猫のにゃごちゃんと最初に出会ったのは、2020年頃のこと。勤め先の会社近くによく現れるにゃごちゃんに、ごはんをあげるようになりました。
当時、にゃごちゃんは、2度の出産を経て、体は痩せてガリガリの状態だったといいます。また、生活の拠点としていた場所は、車や人通りが多く、危険と隣り合わせの環境でした。
飼い主さんは、実家で20年ほど犬と暮らしたことがありました。しかし、猫と暮らしたり、触れ合ったりした経験は無かったため、にゃごちゃんを保護して一緒に暮らすという選択肢があることを、すぐには思いつかなかったといいます。
ところが、毎日のようににゃごちゃんと顔を合わせるうちに、飼い主さんの心境に変化が起こりました。
飼い主さん:
「2021年の秋、ある夜、雨が降って、急に気温が下がった日がありました。家で布団にもぐって『寒いな』と思った次の瞬間、『あの子たち、雨に濡れてないかな。どこで寝ているのかな。絶対、震えているはず』と心配になって、心臓が高鳴り、眠れなくなったのです。そして、『このままだと自分も具合が悪くなる』と思い、保護することを決めました」
早速、飼い主さんは、タオルとキャリーケースを用意。にゃごちゃん、そして一緒にいたやんちゃくんの保護を試みますが、失敗してしまいます。自力で保護をすることの難しさを痛感した飼い主さんは、動物病院からの紹介を受けてボランティアさんの力を借りることに。そうして、無事、にゃごちゃんとやんちゃくんを保護をすることができました。
家の中の一部を“猫仕様”に。保護後、“ふたり”の間に生じたトラブルとは?
すると、にゃごちゃんは、妊娠出産を繰り返した影響で歯はボロボロ、老化が始まる年齢に等しい健康状態であることがわかりました。幸い、動きは俊敏であったことから、医師の見立てでは、まだそれほど年齢を重ねていないことが判明。また、やんちゃくんは、当時、生後7ヶ月くらいであることもわかりました。
その後、避妊と去勢手術を受けたにゃごちゃんとやんちゃくん。さらに、健康診断と血液検査を受けて体の状態を詳しくチェック、ワクチン接種、駆虫処置、爪切りなど、ひと通りのケアを終えて、飼い主さん家族の一員として新たな“猫生”への一歩を踏み出しました。
初めて猫と暮らす飼い主さんは、にゃごちゃんとやんちゃくんのために、ケージやトイレ、ごはんなどのアイテムを用意。また、にゃごちゃんとやんちゃくんが安全に暮らせるように、家の中の一部を“猫仕様”に改造することにしました。すべての網戸を猫が爪を立てても傷みにくいものと取り替え、玄関を入ってすぐの場所には、もう1つ扉を設置。入念に、脱走防止対策を講じました。
こうして、にゃごちゃんとやんちゃくんを保護したことで、飼い主さんの生活は大きく変わりました。そのことについて、飼い主さんは「大変だと感じたことは無い」といいます。
飼い主さん:
「それまで猫と暮らしたことが無かったので、『想像していたのと違う』というようなギャップを感じることは無く、『猫はこんな反応をするんだな』と受け止めていたように思います。例えば、保護してから数週間ほど、にゃごが夜鳴きをする日が続きましたが、事前に保護猫について調べ、夜鳴きをする可能性があること、しばらくすると落ち着くケースがほとんどであることを理解していました。そこで、近所の方へ事情を説明し、耳栓をして眠るなど、冷静に対処することができたと思います」
当時、にゃごちゃんが1ヶ月以上もの間、やんちゃくんのことを威嚇し、追い払う様子を目の当たりにした飼い主さんは、「里親さんを探して、それぞれ別の家で暮らしたほうが幸せなのではないか」と悩むこともあったといいます。
飼い主さん:
「しばらくすると、にゃごが落ち着いて、やんちゃが近寄っても威嚇しなくなりました。ようやく、『やんちゃのことを同居猫として認めてくれたのだ』と思い、ホッとしたことを覚えています。そして、改めて『“ふたり”一緒に家族として迎えよう!』と心が決まりました」
飼い主さん:
「やんちゃは、にゃごのことが大好きなので、よく、顔をペロペロと舐めています。10回に1回くらいは、にゃごからお返しのペロをもらうことも。ペロペロしたあとは向かい合って、お互いのおでこをくっ付けたまま、しばらくじっとしています。それが、とてもかわいくてたまりません」
個性あふれる親子猫と過ごす日々 飼い主さんの生活に起こった変化とは?
にゃごちゃんは、人間にも猫にも媚びないクールビューティー。普段は物静かであまり鳴くことはありませんが、ねこじゃらしで遊ぶときは、一転、ハイテンションになるそうです。
また、やんちゃくんは、名前の通り、天真爛漫でおしゃべりが大好き。飼い主さんから“永遠の末っ子”と称されるほど、甘えん坊のようです。飼い主さんがどこへ行くにも「ぼくも行く!」とあとをついて来るそうですよ。
飼い主さん:
「にゃごは、くっ付いて来ることはありませんが、たまに足にスリスリして甘えてくれたり、アゴや頬を触らせてくれたりすることも。やんちゃが大雨や雷の音を怖がってハウスに隠れると、何度も様子を見に行く優しいママでもあります。やんちゃは、私の膝の上で眠るのが大好き。ユニークな遊び方を見つける天才で、毎日、お風呂の見張り番をしてくれるなど、いつも元気いっぱいです」
また、にゃごちゃんとやんちゃくんを迎えてから、飼い主さんは、規則正しく健康的な生活をするようになったそう。ご両親との関係も、これまで以上に深まったようです。
飼い主さん:
「毎朝5時半に、にゃごとやんちゃが“猫の目覚まし”の役割を担って、私を起こしてくれます。夜も、“ふたり”に早く会いたくて、急いで帰宅するようになりました。そして、夜9時には、床に着くように。やんちゃのことが大好きな私の母は、おやつを持ってよく会いに来てくれますし、これまで猫は苦手だと思っていた父も、“ふたり”の様子をよく尋ねてくれます。また、毎月3万円ずつ、“猫貯金”も始めました」
お迎えから2年、飼い主さんが思う“猫と暮らす魅力”とは?
今、にゃごちゃんとやんちゃくんに伝えたいメッセージがあるそうです。
飼い主さん:
「にゃごは、出会ったとき、目つきが鋭くてとても怖かったけれど、少しずつ心を開いてくれたね。初めて膝にスリスリしてくれたときのことは、ずっと忘れません。これからは何も心配しないで安心して過ごしてね。にゃごが気持ち良さそうに眠っている姿を見るだけでとても幸せです。やんちゃ、いつも膝に乗ってくれてありがとう。いつまでも、あざとかわいい甘えん坊でいてね。うちの子になってくれて、私を幸せにしてくれて、本当にありがとう」
最後に、飼い主さんが思う“猫と暮らす魅力”について伺いました。
飼い主さん:
「毎朝、ふわふわたちに触れながら目覚める贅沢。帰宅すると、ふわふわたちが出迎えてくれる贅沢。お風呂から上がると、ふわふわたちが出待ちしてくれている贅沢。夜中、ふわふわたちが運動会を開催してくれる贅沢。毎日、“ふたり”に『ありがとう』と伝えることのできる贅沢。今では『ねこと暮らしていなかったとき、私はどんな生活をしていたかな?』と思い出すことができません(笑)」
にゃごちゃんとやんちゃくんは、これからも優しい飼い主さんに見守られながら、幸せな日々を送ることでしょう。飼い主さんのX(旧Twitter)では、にゃごちゃんとやんちゃくんの日常を更新中。“ふたり”そろって、おやつを待つ姿など、かわいらしいショットをたくさん見ることができますよ。
写真提供・取材協力/@qyMND6RdGPYL9T9さん
取材・文/佐東みかん
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