猫が好き
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「一緒に連れて行って!」 11年前、みずから自転車のカゴに飛び込んだ子猫 優しい飼い主さん夫婦のもとで我が子のように愛され幸せに
そんなコメントに添えられた写真には、小さな子猫の姿が写っています。頬はこけて、体はほっそり。目の周りは汚れ、不安そうな表情を浮かべる猫ちゃん。偶然、出会った現在の飼い主・X(旧Twitter)ユーザー@Jy2JEYZ2iXilWbEさんに保護されました。
当初は、命の危機を感じるほど弱っていましたが、優しい飼い主さん夫婦のもとで手厚いケアを受け、すくすくと成長。今では、ふっくらとして元気いっぱいの美猫になりました。その運命的な出会いと11年の軌跡について、詳しいお話を伺いました。
■散歩中に顔見知りになった子猫 運命的なハプニングを経て家族に
社長ちゃんは、飼い主さんの散歩コースにある空き地で、母猫や“きょうだい”と思われる猫を含む約10匹の猫たちとともに暮らしていました。@Jy2JEYZ2iXilWbEさんは、散歩のたびに猫たちの様子を観察したり、抱っこしたりしながら見守るように。社長ちゃんは、その中で唯一、人間を怖がらない子猫でした。
ある日、飼い主さんは自転車で外出中、いつものように空き地で足を止めました。すると、社長ちゃんが近寄って来て、みずから自転車のカゴの中へ。まったく逃げる様子が無かったため、飼い主さんはそのまま社長ちゃんと一緒におうちへ帰り、家族としてお迎えすることにしました。
飼い主さん:
「保護当時、生後推定6カ月ほどでした。それまで見守ってきた様子から飼い猫ではなく、野良猫だったのは明らかです。猫風邪や鼻炎にかかってはいましたが、栄養状態はさほど悪くはありませんでした」
こうして、社長ちゃんは、飼い主さんのおうちで新たな生活をスタート。人見知りをしない社長ちゃんは、すぐにおうちに慣れてくれました。
飼い主さん:
「人懐っこい性格で、私や妻とは最初から仲良しです。我が家は共働きのため、迎えた当初は、日中、寂しかったのか、布団に粗相をしたり、布団を破いたりすることはありましたが、2匹目の専務を迎えてからはピタリと止みました。幸い、専務の存在がプラスに作用したのだと思います。今では、社長と専務は大事な家族の一員です」
■社長ちゃんの寂しさを癒やした専務ちゃん 現在の2匹の関係性は?
飼い主さん:
「私たち夫婦の姿が見えなくなると心配になるようで、トイレやお風呂にもついてきます。“わび・さび”のわかる優等生ですが、大好物の液状おやつを食べるときだけは豹変し、強欲になります」
一方、専務ちゃんは、社長ちゃんほどの社交性はなく、とても野生的でマイペース。飼い主さんの奥さんに一目置いていて、とても従順です。おうちの中では元気いっぱいな専務ちゃんですが、外出したり、病院に行ったりするのは苦手。とても怖がり震えてしまいます。
まったく性格の異なる“ふたり”ですが、お互いに“暗黙のルール”を守りつつ、良い関係を築いているようです。
飼い主さん:
「専務は、妻には一目置いているのか、とても従順です。社長と専務は、年齢が離れていることや、社長が優しいため専務のわがままを許しているからか仲は良いほうだと思います。ただし、社長と専務の間にはルールがあるようで、夜、寝るときや私たちが外出しているとき、社長は妻の部屋、妻のベッドでくつろぐ。専務は、私の部屋、私のベッドでくつろいでいます。たまに、一緒にプロレスをしたり、鬼ごっこをしたりすることも。社長にとって、専務は寂しさを紛らわせてくれる相手、専務にとって社長は甘えられる“お姉ちゃん”のような存在のようです」
最後に、飼い主さんに社長ちゃんと専務ちゃんへの思いについて伺いました。
飼い主さん:
「社長との出会いは運命的で、私たち夫婦に笑顔を届けてくれる無くてはならない存在です。社長をお迎えしてから、家の雰囲気がとても明るくなりました。私にも妻にも気を遣い甘えてくれて、専務のお世話もしてくれる一家の大黒柱のような存在だと思います。今年で12歳になりますが、とても健康です。これからも長生きして、私たち夫婦に癒やしと笑顔をくれる存在であってほしい。『出会えたことに、ありがとう』ですね」
社長ちゃんと専務ちゃん、飼い主さん夫婦は、種族を超えて強い絆で結ばれているようですね。これからも家族一緒に、楽しくにぎやかな日々を過ごしていくことでしょう。
写真提供・取材協力/@Jy2JEYZ2iXilWbE/X(旧Twitter)
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文/佐東みかん
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