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【プロが解説】猫を虜にする「またたび」のヒミツ 知らないと怖い注意点とは?
飼い主さんも愛猫にまたたびを与える機会があると思いますが、はたしてまたたびについてどれだけのことを知っているでしょうか?
ねこのきもちWEB MAGAZINE編集室が、またたびについて獣医師に聞いてみたところ、「知ったうえで猫に与えないと危ないかもしれない」ことが!
この記事では、またたびとは実際なんなのか、与えるときに注意点はないか、猫によって反応の違いがあるのはなぜかなど、くわしく解説します。
犬の飼い主さんも参考になることが記事の最後のほうに書いてあるので、要チェック!
そもそも、またたびってなんなの!?
「またたびはマタタビ科マタタビ属のつる性の植物。北海道から九州まで分布し、初夏には白い花を咲かせ、秋になると楕円形の実をつけます。
実は古くからマタタビ酒などにして利用されていました。この実を乾燥させて粉にしたものが、またたび粉です。猫用には粉末のものが一般的ですが、小枝や実なども市販されています」
またたびを与えたときの猫の反応、効果的な与え方について
「猫にまたたびを与えると、頭や体をこすりつける、くねくねと転がる、よだれを垂らすなどの特徴的な恍惚状態がしばらく続きます。酔っぱらっているようにも見えますが、お酒に酔っている状態とは異なります。
またたびに含まれるマタタビラクトン類やアクチニジン、最近の研究ではプレゴンなどが神経系に作用して、恍惚状態にさせ、β-フェニルエチルアルコールという成分がよだれの分泌を促進しているといわれています」
「またたびの反応には個体差があり、少量でも恍惚・陶酔状態になる猫もいれば、ほとんど興味を示さない猫もいます。反応の程度や持続時間も、猫によって異なるようです。
中毒性・依存性などはないようで、効果もそれほど長時間は続きませんので、少量であれば有効に使うことができます。
たとえば、爪とぎの場所を覚えてもらうときや、ストレス解消、ごほうびなど飼い主さんとのコミュニケーション手段として、また猫によっては食欲不振のときなどにも使うことができるでしょう」
またたびに対する食いつきは、オス・メス、子猫・成猫によって差が!
「またたびが有効なのは成猫で、あまり小さな子猫には効果がないようです。また、メスよりオスのほうが反応がいいようですね」
与える量に注意しないと、呼吸困難の恐れも!?
「使うときは、粉末を少量振りかける程度から始めましょう。粉末を与えて問題がないことを十分確認してから、小枝などを与えるようにしてください。
実を与えるときは、丸のみにして胃や腸に詰まらせないように気をつけましょう。あまり多く与えすぎると、呼吸困難や心停止を引き起こす可能性がありますので、注意が必要です。
またたびは必ずしも必要なものではありませんので、体調が悪いときや、高齢猫などには使わないようにしましょう」
「大量摂取を防ぐために保管場所にも気を配り、必ず猫の手の届かないところで保存してください」
またたびといえば猫だけど、犬も反応するの?
「犬がまたたびに反応するという報告はあまりありませんが、ニオイが強いので興味を示す可能性はあります。嫌がるかもしれませんし、好ましく思うかもしれません。
ですが、犬の食物(嗜好品)としての実績がないことや、神経系作用物質であるということ、猫では個体差がとても大きいことなどを考えると、犬に与えるのは避けたほうがよいかもしれません」
「なんでうちのコは食いつきが悪いんだろう」と思っている飼い主さんもいたかもしれませんが、個体差があったり、性別や年齢によっても違ってくるみたいです。
ぜひ、今後の参考にしてみてくださいね。与えすぎには、くれぐれも注意してください!
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/Honoka
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