猫が好き
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「離れている時の猫の様子を見守りたい」猫飼いの願いをカタチに!
第3回:Catlog(キャトログ)誕生秘話
この連載も第三回。
今回は、なぜCatlogの開発に至ったのか、プロダクト誕生の背景について書きたいと思います。
観察のしづらい動物の「見えない時間を見えるようにする」科学です。
大学ではペンギン、大学院ではオオミズナギドリという海鳥が研究対象だったのですが、オオミズナギドリに関しては繁殖地である無人島に住み込み、文字通り泥にまみれながら鳥と生活し、データがとれたら陸に戻ってトリップ(餌をとりにいって帰ってくるまでのことを言う)中にオオミズナギドリたちがどれくらい潜水しているか、飛翔しているか、など行動解析していました。
「見えない時間」の多い猫様、外出中ずっと猫様が気になる飼い主
「最近遊べてないな・・・運動不足になってないかな?」
「今なにしてるかな?変なものかじったりしてないかな。」
「カリカリ置いてきたけど、ちゃんと食べたかな。」
のちに猫様と一緒に暮らす20人以上にインタビューもしましたが、みなさん同じ想いを抱えていらっしゃいました。
極端なことを言うと、飼い主のみなさんは自分の留守中に「大事な猫様に何も問題が起きていないか」。もっと言うと「今生きているか」を常に気にしながら過ごしていたのです。
だから仕事の合間にカメラを覗いても、部屋が見えるだけ。。。のことが多いです。とはいえ、家中にカメラを張り巡らせるわけにもいかないし、万が一何か異常が猫様におきていたとしても、カメラは教えてはくれません。
「留守にしてごめんね。さみしかったね。」と家に帰っては、ゴロゴロ甘えてくれるブリ丸の頭をなでながら、抱っこしながら、「この子と一秒でも一緒にいられますように。神様どうかお願いします。」と毎晩祈っていました。
そしてCatlogの誕生へ
ある日、ずっと抱えていた悶々とした不安を解決する手段はないだろうかと考えていた時。
私の頭のなかで鐘がなりました。
「見えない動物の時間を見えるようにする・・・。これはつまり私が研究していた『バイオロギング』。バイオロギングとプロダクト開発を経験し、そして猫様と20年一緒にいる私ならこの課題解決ができるサービスが創れるのではないか。」
これがすべての始まりです。
Catlogは、Pendant、Home、アプリで構成されています。
Pendantに内蔵された加速度センサーで猫様の行動ログを取得、Homeは無線LANと接続し、Pendantからのデータを受け取りサーバーへ転送。飼い主さんは、スマホアプリで猫様の行動を見ることができます。
(※2019年10月現在はiOSアプリのみ対応しています。Androidアプリは2019年内対応を予定しております。)
歩く・走るなどの運動や睡眠・休息、ごはんなどお留守番中の行動を外出先からスマホで見ることができます。
飼い主のみなさんが離れている猫様を近くに感じられるように、「今、猫様がなにをしているか」をアニメーションの猫のアイコンで表示したりいろいろ工夫をしています。
また、猫様が一日なにをしていたかを見ることができるタイムラインや、先週と比べて運動量に変化がないかなどグラフでの推移比較なども可能です。
Catlogでもっと猫様を身近に
9月24日に一般発売を開始したのですが、TwitterやInstagramを中心に、「#Catlog」というタグをつけて皆猫様がCatlogを着けていらっしゃる写真などをたくさんの方にアップしていただき、ありがたいことに一時期サーバーがとまるほどの反響をいただきました。
猫様とのCatlogライフを開始されたみなさまから、「心配でおちおち仕事もしていられなかった。Catlogのおかげです」「留守中カメラだけではわからないうちの子の動きがわかって外出先でも安心する」「職場で愛猫がどうしているか知れるの幸せ」「首輪がこれまで苦手だったのにCatlogは大丈夫だった」等の嬉しいコメントをいただき、CCOブリ丸筆頭にメンバー一同喜んでいます。
次回は最終回。
CCOブリ丸の日常風景、どんなふうにブリ丸がCatlog開発に携わってきたかご紹介したいと思います。
すべては、猫様のために。
プロフィール
【猫の生活をテクノロジーで見守る。】RABO, Inc.のCEOです。猫様に飼われて20年超。
大学・大学院時代にバイオロギング(Bio-Logging)という、動物に小型の計測機械を装着して行動生態を明らかにする研究を専攻。「動物の見えない時間を見えるようにする」というバイオロギング研究を活かして、CCO(Chief Cat Officer)ブリ丸と猫様チームで飼い主さんの代わりに猫様を見守るIoTプロダクト『Catlog(キャトログ)』を開発中。
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