鼻先や耳、足の先やしっぽなどに濃い色があらわれる「ポイント柄」。さまざまな猫種で見られることもあり、おなじみの毛柄ですが、日本でみられるようになったのは1960年代だそう。
そんな「ポイント柄」の特徴と、代表的な猫種をご紹介します。
シャム猫から広まった「ポイント柄」
「ポイント柄」は、顔や体の先端に色がつく不思議な毛柄。一説によると、特に冷えやすい体の先端部分の毛色を濃くすることで、日光を集め、寒さから身を守る役割があると考えられているのだとか。
日本でポイント柄がみられるようになったのは1960年代。シャム猫の大流行で交配が進み、ミックス猫にも同様の毛柄があらわれるようになったからだそう。そのため、シャムのフレンドリーな性格を受け継いだ猫が多いようです。
先端ほど濃い色に
鼻のまわりや耳の先など、先端部ほど色が濃くなるのがポイント柄。顔については、目の周りや頬など、広い範囲で濃い色が出ることもあります。しっぽの先や足の先など、体も同様に先端部が濃い色になり、それ以外の部分の毛色は、淡い色に。
肉球は全身の毛色に影響を受け、全体に淡い色なら薄いピンクに、濃い色なら黒がかったピンクになる傾向があります。
瞳の色は青が多い
毛色と瞳の色の関係ははっきりとわかっていないものの、ポイント柄の猫の場合は、青かそれに近い色の目になることが多いのだそう。濃い色の顔立ちの中で、くっきりと鮮やかな瞳が印象的です。
子猫時代は淡い色?
ポイント柄の猫は、生まれたばかりのときは全身が真っ白です。 これは“ポイント柄が先端に集まりやすいこと”と関係があるようで、母猫の胎内にいるときは全身が温められているので、寒さから身を守る必要がないためといわれているのだそう。
生後2週間を過ぎた頃から徐々に体の先端に色がつきはじめ、1才前後でその猫本来のポイント柄が定着します。
「ポイント柄」にもいろいろあります♪
体の先端部に色がつくタイプのポイント柄を、「シール・ポイント」と呼びます。また、微妙な色味の違いによって、呼び名も「ライラック(灰色)」「チョコレート(黒茶)」「ブルー(青灰)」と変わります。寒さが増すほど日光を集める必要があるため、冬のほうが色が濃くなるようです。
しま模様が入ったポイント柄は「リンクス・ポイント」。顔やしっぽ、足の先などの先端部にしま模様があらわれます。足先を部分的に白くする遺伝子が働いた「リンクス・ポイント&ホワイト」や、体全体の色を薄くする遺伝子が働いた「クリーム・リンクス・ポイント」なども。
さらに、黒とオレンジの「サビ柄」が顔や体の先端部にだけあらわれる場合は「トーティ・ポイント」と呼ばれます。サビ柄は遺伝子的に大半がメスなので、この毛柄も基本的にはメスにだけあらわれます。
体表的な「ポイント柄」の猫種は
ポイント柄があらわれやすい猫種としてはシャム、ヒマラヤン、ラグドール、バーマンなどのほか、トンキニーズ、サイアミーズ、バリニーズなどがあげられるほか、MIX猫にもみられます。
色の変化を観察してみたい♪
単色に限らず、しま模様やサビ柄などもあらわれる「ポイント柄」。冷えやすい部分を守るという役目があることから、冬に色が濃くなるのも興味深いですね。ポイント柄の猫の飼い主さんは、季節による色の変化を観察してみても良いかもしれません。
参考/「ねこのきもち」2016年4月号『愛猫の毛柄、鑑定します 麗しのKEGARAファイル File No.11 ポイント』(監修:猫写真家 1級愛玩動物飼養管理士 石原さくら先生)
文/momo
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。