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猫の毛柄と性格には関係がある!?日本の雑種猫に多い毛柄8つ

毛柄の名前、いくつ知ってますか?

愛猫の毛柄の名前を知らない、もしくは勘違いして覚えている飼い主さんは意外と多いもの。そこで猫写真家であり、猫の毛色・柄の幅広い知識をもつ猫研究家の石原さくらさんに、毛柄の特徴、性格の傾向などについて教えてもらいました。
日本の雑種猫にとくに多い、8つの毛柄を紹介します。

[キジトラ]全身に黒と茶色のしま模様

撮影/石原さくら
撮影/石原さくら
キジトラは、地色は茶色っぽく、背骨に沿って黒い太いラインが入っているのが特徴の毛柄。日本では、部分的に白が入る「キジ白」も多く見られます。鳥のキジに色柄が似ていることから、日本ではこの名前が付いたようです。
キジトラはもっとも野生の猫に近く、毛柄つくる遺伝子の構成がほぼ同じです。そのためか、慎重で警戒心が強い性質のようですが、飼い猫の場合は甘えん坊な一面も。

[茶トラ]全身にオレンジのしま模様

撮影/石原さくら
撮影/石原さくら
茶トラの柄は、オレンジの地色に、濃いオレンジのしま模様が入っているのが特徴です。写真のように部分的に白が入る「茶トラ白」もよく見られます。オレンジの毛色をもつ猫はトルコ付近で突然生まれ、アジアを中心に増えたという説も。
茶トラ柄は遺伝的にオスが誕生しやすいことがわかっています。そのため欲求にストレート、大胆など、オスの特徴的な性格が見られる傾向に。

[ミケ]黒・オレンジ・白の3色の組み合わせ

撮影/ねこのきもち編集室
撮影/石原さくら
ミケは、「三毛」の通り、黒とオレンジと白の3つの毛色が組み合わさっているのが特徴。背中側やしっぽに黒・オレンジが、お腹側に白が現れます。日本ではよく見られますが、世界的には珍しく、とくに北欧などでは人気が高い毛柄とか。
ミケ柄は遺伝的に、ほぼメスしか生まれません。そのため、気まぐれや怖がりなど、メスの特徴的な性格が見られることが多いでしょう。

[バイカラー]模様のない1色×白で構成

撮影/石原さくら
撮影/石原さくら
バイカラーは、模様のない1色と白、その2色で構成されているのが特徴です。「黒×白」のパターンが圧倒的に多く、たまに「グレー×白」「茶×白」も見られます。鼻の下に黒が出る「チョビヒゲ」柄や、鼻の周りが雫形に黒い「コアラ」柄など、ユニークな柄も。
性格はさまざまですが、黒×白の場合、黒の比率が高ければ穏やか、白の比率が高いと繊細になる傾向にあります。

[黒]基本的には黒1色

撮影/石原さくら
撮影/石原さくら
黒は、模様などは基本的に入らず、漆黒になるのが特徴の毛柄です。部分的に「エンジェルマーク」と呼ばれる白いブチが入ったり、全体的に毛色が少し茶色い「チョコレート」色になる猫も、分別は黒です。基本的にヒゲも黒くなりますが、たまにヒゲだけ白い猫も。
日本の歴史的に見て、人との関係が深く、平安時代に宇多天皇が飼っていたのも黒猫だといわれています。性格は目立たず敵に狙われにくかったのか、穏やかで友好的な傾向に。

[サバトラ]シルバーに黒のしま模様

撮影/石原さくら
撮影/石原さくら
サバトラは、シルバーの地に黒いしま模様が入るのが特徴。そのしま模様と色が魚の鯖に似ていることから、日本では「サバトラ」と呼ばれるようになりました。模様の濃淡には個体差があり、全体的にグレーっぽい猫や、写真のように白が入る「サバ白」も。
サバトラは戦後に洋猫との交配で生まれたと考えられ、日本では数が少なめの毛柄です。キジトラ同様、遺伝的に野生猫に似ているため、野性的で活発な猫が多いよう。

[サビ] 黒・オレンジの2色の組み合わせ

撮影/石原さくら
撮影/石原さくら
サビは、黒とオレンジの2色が複雑に入り混じっているのが特徴です。その割合は猫によって大きく異なり、同じ模様はふたつとありません。また、黒とオレンジのしま模様が全身に入ることもあり、そのようなパターンは「麦わら」と呼ばれています。
サビはミケと同様に、遺伝子的に大半がメスになる毛柄です。そのため、全体的に小柄な印象で、メスの特徴であるマイペースで気ままな性格の猫が多いよう。

[白]基本的に白1色

撮影/石原さくら
撮影/石原さくら
白は、毛の長さに関係なく真っ白で模様がないのが特徴。子猫のときにだけ頭頂部に黒いブチ、通称「キトンキャップ」が現われる猫もいますが、成猫になる頃には消えます。
白い毛色をつくる遺伝子は「絶対優性の白」とも呼ばれ、白猫からは白猫が生まれやすい傾向に。強い遺伝子をもっている白猫ですが、野生では目立つ色のため、敵に襲われやすかったと推測。その名残なのか、注意深く、繊細な性格の猫が多い毛柄のようです。
いかがでしたか? 毛柄によって性格の傾向があるなんて、知らなかった人も多いのではないでしょうか。このような毛柄の知識が「もっと愛猫のことを知りたい」という飼い主さんと、愛猫の距離を縮めるキッカケになったら幸いです。
参考/「ねこのきもち」2020年8月号「あぁ奥深き 毛柄トリビア10」(監修/石原さくらさん)
文/ねこのきもち編集室
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