無防備な姿で昼寝をしたり、喉をゴロゴロ鳴らしたり、飼い主さんにすりすりしたり。いつもかわいい姿を見せてくれる猫ですが、どんな気持ちでそのしぐさをしているのでしょうか? 日常の何気ないしぐさに秘められた猫の気持ちを、4つのタイプに分類してご紹介します。
猫がリラックスしているときのしぐさ
へそ天
猫が仰向けになり、おへそを上に向ける姿を「へそ天」と呼びます。猫が急所であるお腹を無防備に見せて眠れるのは、敵がいなくて安心している証拠。つまり猫がへそ天をしていたら、“超絶リラックスしている状態”といえるでしょう。
ただし、体を開くことで熱を放出する効果が得られることから、気温が高くて暑いときにも、猫はこの姿勢になることがあるようです。
香箱座り
「香箱座り」とは、猫が両前足を胸の下に折りたたんだ姿勢で座る姿勢のこと。その姿がお香を入れる箱に似ていることから、このように呼ばれるようになりました。
「香箱座り」は、筋肉と関節が柔らかい猫ならではの座り方で、急に立つことができない姿勢。そのため猫がこの座り方をしているときは、リラックスしていると考えられています。
猫が安心したいときのしぐさ
すりすり
猫の体には、口のまわりやしっぽの付け根などにニオイの分泌腺があります。その分泌腺をこすりつけてマーキングすることで、猫は縄張りを守ったり、自分のものであることを主張したりするのです。
「すりすり」もその行動の一種と考えられていて、安心したいという気持ちから、自分のニオイをつけているのでしょう。また人や同居猫に対しては、距離を縮める挨拶として、「すりすり」することもあるようです。
ごっちん
「ごっちん」は、頭を床や物につけるしぐさのこと。基本的には「すりすり」と同じですが、「すりすり」よりは軽く、気持ちも弱めの傾向にあると考えられています。
猫はこのしぐさをすることで、「ニオイをつけて安心したい」「飼い主さんに親しみを伝えたい」など、さまざまな気持ちを表現しています。
猫が野性の名残でしてしまうしぐさ
目隠し
猫は本来薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)の動物なので、暗闇でも狩りができるよう、ほんのわずかな光でも感じられる目をもっています。
そんな猫が目を隠すのは、まぶしいと感じているから。目を閉じていてもまぶしさを感じるときは、目元を前足で隠すことがあるようです。
ゴロゴロ
猫は声帯を振動させることで、のどを鳴らしていると考えられています。ゴロゴロ音の高さはそのときの気分で異なり、ごきげんなときは25Hzで、ストレスを感じているときは40Hzくらいという説も。
また、ゴロゴロ音には治療効果があると考えられていて、野生時代に狩りで負った生傷を治すために身につけたともいわれいています。
猫が狩りを思い出しいるときのしぐさ
伸びをする
猫は歩き始めるときや目覚めたときに伸びをします。これは、野生時代にいつでも獲物を捕まえられるよう体をならして調整していたときの名残で、いわば準備体操のようなもの。
活発に動き始める前に伸びをして、体のさまざまな部位を伸ばしているのでしょう。
狩りに適した体を持ち感覚が優れた猫は、人には想像できない気持ちを抱いています。愛猫の本当の気持ちに気付いたら、必要なお世話も見えてきそうですね。
参考/「ねこのきもち」2020年6月号『15のしぐさに秘められたねこのきもち』(監修:獣医師 獣医行動診療科認定医 菊池亜都子先生)
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。