猫がくねくねするしぐさや、ふみふみするしぐさを見ていると癒されますよね。その可愛さに、つい見とれてしまいますが、そんなしぐさの中にも猫の気持ちがあらわれているのです。今回は、活発なしぐさに秘められた猫の気持ちを紹介します。
前足を使ったしぐさ
前足でものに触れ、ちょいちょいする
野生時代の猫は、獲物を捕まえたときに前足で触れ、生きているか確認していました。猫が、その名残でもあるこのしぐさをしていたら、目の前にあるものが何なのか、生きているのか知りたいのでしょう。
猫の肉球にはセンサーのような機能があるため、ちょっと触れるだけで温度や動きを感知できるそうです。
柔らかい布の上でふみふみする
飼い猫はよく、柔らかい布を前足でふみふみしますが、これは子猫時代に母乳をもらっていたときの名残のしぐさ。野生の猫は成猫になるとしなくなりますが、飼い猫の場合はいつまでも子猫気分が抜けないので、甘えたい気分になると柔らかいものをふみふみすることがあるようです。
目や鼻を使ったしぐさ
目を細めてくる
猫は本来視線を合わせるのが苦手な動物なので、目を細めるのは、親愛の気持ちを伝えるサインと考えられています。体の筋肉が緩み、くつろいだ状態で目を細めていたら、心底リラックスしているのでしょう。
フレーメン反応する
これまではフェロモンを取り込むときの反応と考えられていましたが、最近の研究ではニオイの正体を探っているときにする反応だということがわかったそうです。いつもと違うニオイを感じて、「これ、何のニオイ?」と探っているのでしょう。
口を使ったしぐさ
飼い主さんに向かって鳴く
猫は本来単独で行動する動物なので、鳴いて誰かに気持ちを伝える習慣がありませんでした。ただ飼い猫の場合は、飼い主さんに自分の願いを叶えてもらうため、鳴くことを覚えていったといわれています。
猫が飼い主さんに向かって鳴いていたら、何か伝えたいことがあるのでしょう。
自分の毛づくろいをする
毛づくろいにはいろんな意味が込められています。ブラッシングして毛並みを整えるほか、傷口をキレイにして手当てする役割、舐めたときの唾液が蒸発することによって体温調節する役割などがあるといわれています。
全身を使ったしぐさ
お腹を見せながら体をくねくねする
猫が急所であるお腹を見せていたら、敵意がない証拠。かなりリラックスした状態で、そばにいる相手を遊びに誘っているのでしょう。
おもちゃを抱えて、けりけりする
猫は獲物を捕まえると、前足で押さえ込み、後ろ足で蹴ってダメージを与えます。けりけりは、そんな狩りの名残からくるしぐさ。おもちゃで遊んでいる最中に、狩りの真似ごとがいつしか本気になって、興奮してきたのでしょう。
「野生時代の名残」×「飼い主さんとの間にある信頼関係」でしぐさの意味をひも解くと、猫の本当の気持ちが見えてきます。飼い猫が身に付けたしぐさの意味を知って、日頃のお世話に役立ててくださいね。
参考/「ねこのきもち」2020年6月号『15のしぐさに秘められたねこのきもち』(監修:獣医師 獣医行動診療科認定医 菊池亜都子先生)
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。